つくば宇宙フォーラム

第109

Molecular abundances in nearby galaxies (NGC 1068, NGC 253, and IC 342)

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高野 秀路 氏

日本大学

近傍の有名銀河NGC 1068、NGC 253、およびIC 342について、その分子組成を野 辺山45m電波望遠鏡で調べた結果を紹介します。NGC 1068は、active galactic nucleus (AGN)を持ち、45m望遠鏡の(単一望遠鏡としては)高い空間分解能を用 いることで、AGNに特有と思われる分子組成を明らかにしました。NGC 1068につ いては、その後、アルマ望遠鏡でさらに高空間分解能で観測を進め、分子の多様 な分布を明らかにしました。現在進行中のpreliminar...

第108

原始銀河内での種ブラックホールの超臨界成長

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豊内 大輔 氏

京都大学 天体核研究室

近年の観測により赤方偏移z~7の初期宇宙において太陽の数億倍の質量を持つ超巨大ブラックホールがすでに存在していることが明らかになっている。そのような初期宇宙における超巨大ブラックホール形成の有力な説のひとつとして銀河中心ブラックホールへの超臨界降着がある。ブラックホールへのガス降着および質量成長率に関してはボンディ半径から降着円盤へと向かうスケールに着目した輻射流体シミュレーションによって近年活発に調べられており,最近のシミュレーション結果によればブラックホール周辺のガスの数密度や温度の条件次...

第107

赤方偏移3の宇宙網における銀河形成研究の現在地

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梅畑 豪紀 氏

理化学研究所

冷たい暗黒物質に基づく構造形成モデルでは,暗黒物質やバリオンは重力進化の結果として宇宙網(Cosmic Web)と呼ばれる蜘蛛の巣状のネットワーク構造を成していると考えられている。これまで,このような宇宙網の結節点でガスの流入,凝集が進み銀河が形成されるとの理論的描像が広く受け入れられており,このガスネットワークを実際に検出しようという試みが長年行われてきた。我々は赤方偏移3.1の原始銀河団中心部において1Mpc以上の広がりを持つ水素ガスのフィラメント構造を捉え,実際にフィラメントに沿って多く...

第106

Formation of multiple Pop III stars under radiation feedback

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杉村 和幸 氏

メリーランド大学

Population III (Pop III) stars, forming as the first generation objects in the history of the Universe, bring an end to the dark age of the Universe and pollute the pristine intergalactic medium with heavy elements. Based on recent theoretical stud...

第105

「最遠方」シリーズと今後の研究展望

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井上 昭雄 氏

早稲田大学

宇宙再電離と銀河形成について,すばるやアルマなどを用いて研究を進めている。最近,「最遠方〇〇」というプレスリリースを連続して行なうことができた。すなわち,最遠方酸素(2016.6),最遠方輝線(2018.5),最遠方合体銀河(2019.6),最遠方パッシブ銀河(2019.9),最遠方原始銀河団(2019.9)である。これらの研究成果を解説する。特に,アルマ望遠鏡による高赤方偏移銀河の観測について詳しく紹介する。また,JWSTやELT時代の「最遠方」研究の展開について展望する。 ...

第104

New insights into the formation of massive galaxies and galaxy clusters in the early universe

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Tao Wang 氏

東京大学 / 国立天文台

During the last decades, our understanding on both galaxy and structure formation in the nearby Universe has been great advanced, thanks to various large cosmological surveys. On the other hand, limited by the capabilities of current facilities, the...

第103

渦状腕の重力不安定性と分裂

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井上 茂樹 氏

筑波大学 計算科学研究センター

円盤構造の中の渦状腕は,様々な天体で見られる構造である。そうした渦状腕の中のいくつかは分裂して小さな構造を作ると思われるものも存在する。本研究では,線形摂動解析理論を渦状腕に適用することによって,渦状腕の重力不安定の条件を解析的に導出した。様々なシミュレーションの結果に適用することにより,得られた解析解が正確に分裂を予測できるものであることを確かめた。この結果は,渦状腕の分裂が重力不安定によるものであり,さらに線形過程の物理現象本あることを示している。研究では,主に円盤銀河と初代星星周円盤の中...

第102

分子雲衝突による大質量星形成とフィードバックによる誘発的星形成

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島 和宏 氏

京都大学 天体核研究室

近年,大質量星や大質量星団の形成過程として分子雲衝突が注目されている。Takahira et al (2014) では2つの分子雲を衝突させる3次元流体シミュレーションを行って 100 [太陽質量] を超える高密度乱流コアが形成されることを報告している。しかし,彼らの計算ではコアでの星形成やフィードバックは考慮されていなかった。大質量星が形成されるとその強力な輻射フィードバックによって母体となった分子雲の物理状態は大きく変化し,その後の星形成が影響を受けると考えられる。そこで我々は Takah...

第101

銀河系における高密度ガス形成:FUGINプロジェクトの結果から銀河における星形成則

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久野 成夫 氏

筑波大学 宇宙観測研究室

FUGINプロジェクトは,野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡を用いた12CO(J=1-0),13CO(J=1-0),C18O(J=1-0)輝線による銀河面サーベイである。銀河系内での分子雲形成,高密度ガス形成,星形成といった星間ガスの進化過程を理解することを目標としており,観測が終了し多くの成果が出始めている。例えば,銀河系内での高密度分子ガス形成について,3輝線を用いて高密度分子ガスの割合を調べた結果,バーエンドや渦状腕で高くなっており,棒状部分で低くなっていることがわかった。また,高密...

第100

初代銀河形成シミュレーション:初代星から低金属度星団形成までの統一的理解に向けて

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矢島 秀伸 氏

筑波大学 宇宙理論研究室

近年の観測の発展により,赤方偏移7を超える銀河が続々と発見された。そして,ジェームスウェッブ宇宙望遠鏡やTMTなどの次世代観測装置により,赤方偏移10を超える初代銀河の検出が現在期待されている。初代銀河は,銀河進化史を理解する上で重要なだけでなく,宇宙再電離を引き起こした電離源や,また巨大ブラックホールを育む環境としても注目を集めている。しかしながら,理論的には初代銀河の形成・進化のメカニズムはほとんど分かっていない。我々は以下の三点に着目し,初代銀河の形成・進化について研究を行った。 ...

第109

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Molecular abundances in nearby galaxies (NGC 1068, NGC 253, and IC 342)

高野 秀路 氏

日本大学

近傍の有名銀河NGC 1068、NGC 253、およびIC 342について、その分子組成を野 辺山45m電波望遠鏡で調べた結果を紹介します。NGC 1068は、active galactic nucleus (AGN)を持ち、45m望遠鏡の(単一望遠鏡としては)高い空間分解能を用 いることで、AGNに特有と思われる分子組成を明らかにしました。NGC 1068につ いては、その後、アルマ望遠鏡でさらに高空間分解能で観測を進め、分子の多様 な分布を明らかにしました。現在進行中のpreliminar...

令和2年 2月   13 : 30     野辺山45m電波望遠鏡 , アルマ , 分子ガス , スターバースト , 活動銀河核
第108

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原始銀河内での種ブラックホールの超臨界成長

豊内 大輔 氏

京都大学 天体核研究室

近年の観測により赤方偏移z~7の初期宇宙において太陽の数億倍の質量を持つ超巨大ブラックホールがすでに存在していることが明らかになっている。そのような初期宇宙における超巨大ブラックホール形成の有力な説のひとつとして銀河中心ブラックホールへの超臨界降着がある。ブラックホールへのガス降着および質量成長率に関してはボンディ半径から降着円盤へと向かうスケールに着目した輻射流体シミュレーションによって近年活発に調べられており,最近のシミュレーション結果によればブラックホール周辺のガスの数密度や温度の条件次...

令和2年 1月   13 : 30     ブラックホール , 初代銀河 , , 輻射流体シミュレーション
第107

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赤方偏移3の宇宙網における銀河形成研究の現在地

梅畑 豪紀 氏

理化学研究所

冷たい暗黒物質に基づく構造形成モデルでは,暗黒物質やバリオンは重力進化の結果として宇宙網(Cosmic Web)と呼ばれる蜘蛛の巣状のネットワーク構造を成していると考えられている。これまで,このような宇宙網の結節点でガスの流入,凝集が進み銀河が形成されるとの理論的描像が広く受け入れられており,このガスネットワークを実際に検出しようという試みが長年行われてきた。我々は赤方偏移3.1の原始銀河団中心部において1Mpc以上の広がりを持つ水素ガスのフィラメント構造を捉え,実際にフィラメントに沿って多く...

令和元年 12月   13 : 30     アルマ , 銀河形成 , 高赤方偏移銀河
第106

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Formation of multiple Pop III stars under radiation feedback

杉村 和幸 氏

メリーランド大学

Population III (Pop III) stars, forming as the first generation objects in the history of the Universe, bring an end to the dark age of the Universe and pollute the pristine intergalactic medium with heavy elements. Based on recent theoretical stud...

令和元年 11月   13 : 30     初代星 , PopIII星 , 輻射によるフィードバック , 輻射流体シミュレーション , 宇宙論シミュレーション
第105

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「最遠方」シリーズと今後の研究展望

井上 昭雄 氏

早稲田大学

宇宙再電離と銀河形成について,すばるやアルマなどを用いて研究を進めている。最近,「最遠方〇〇」というプレスリリースを連続して行なうことができた。すなわち,最遠方酸素(2016.6),最遠方輝線(2018.5),最遠方合体銀河(2019.6),最遠方パッシブ銀河(2019.9),最遠方原始銀河団(2019.9)である。これらの研究成果を解説する。特に,アルマ望遠鏡による高赤方偏移銀河の観測について詳しく紹介する。また,JWSTやELT時代の「最遠方」研究の展開について展望する。 ...

令和元年 10月   13 : 30     銀河形成 , アルマ , 再電離
第104

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New insights into the formation of massive galaxies and galaxy clusters in the early universe

Tao Wang 氏

東京大学 / 国立天文台

During the last decades, our understanding on both galaxy and structure formation in the nearby Universe has been great advanced, thanks to various large cosmological surveys. On the other hand, limited by the capabilities of current facilities, the...

令和元年 9月   13 : 30     銀河形成 , アルマ , 宇宙論シミュレーション
第103

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渦状腕の重力不安定性と分裂

井上 茂樹 氏

筑波大学 計算科学研究センター

円盤構造の中の渦状腕は,様々な天体で見られる構造である。そうした渦状腕の中のいくつかは分裂して小さな構造を作ると思われるものも存在する。本研究では,線形摂動解析理論を渦状腕に適用することによって,渦状腕の重力不安定の条件を解析的に導出した。様々なシミュレーションの結果に適用することにより,得られた解析解が正確に分裂を予測できるものであることを確かめた。この結果は,渦状腕の分裂が重力不安定によるものであり,さらに線形過程の物理現象本あることを示している。研究では,主に円盤銀河と初代星星周円盤の中...

令和元年 7月   13 : 30     銀河形成 , 磁気流体力学 , 銀河円盤
第102

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分子雲衝突による大質量星形成とフィードバックによる誘発的星形成

島 和宏 氏

京都大学 天体核研究室

近年,大質量星や大質量星団の形成過程として分子雲衝突が注目されている。Takahira et al (2014) では2つの分子雲を衝突させる3次元流体シミュレーションを行って 100 [太陽質量] を超える高密度乱流コアが形成されることを報告している。しかし,彼らの計算ではコアでの星形成やフィードバックは考慮されていなかった。大質量星が形成されるとその強力な輻射フィードバックによって母体となった分子雲の物理状態は大きく変化し,その後の星形成が影響を受けると考えられる。そこで我々は Takah...

令和元年 6月   13 : 30     星形成 , 輻射輸送 , 分子雲
第101

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銀河系における高密度ガス形成:FUGINプロジェクトの結果から銀河における星形成則

久野 成夫 氏

筑波大学 宇宙観測研究室

FUGINプロジェクトは,野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡を用いた12CO(J=1-0),13CO(J=1-0),C18O(J=1-0)輝線による銀河面サーベイである。銀河系内での分子雲形成,高密度ガス形成,星形成といった星間ガスの進化過程を理解することを目標としており,観測が終了し多くの成果が出始めている。例えば,銀河系内での高密度分子ガス形成について,3輝線を用いて高密度分子ガスの割合を調べた結果,バーエンドや渦状腕で高くなっており,棒状部分で低くなっていることがわかった。また,高密...

令和元年 5月   13 : 30     星形成 , , 分子ガス
第100

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初代銀河形成シミュレーション:初代星から低金属度星団形成までの統一的理解に向けて

矢島 秀伸 氏

筑波大学 宇宙理論研究室

近年の観測の発展により,赤方偏移7を超える銀河が続々と発見された。そして,ジェームスウェッブ宇宙望遠鏡やTMTなどの次世代観測装置により,赤方偏移10を超える初代銀河の検出が現在期待されている。初代銀河は,銀河進化史を理解する上で重要なだけでなく,宇宙再電離を引き起こした電離源や,また巨大ブラックホールを育む環境としても注目を集めている。しかしながら,理論的には初代銀河の形成・進化のメカニズムはほとんど分かっていない。我々は以下の三点に着目し,初代銀河の形成・進化について研究を行った。 ...

平成31年 4月   15 : 00     PopIII星 , , TMT , 輻射流体シミュレーション , 宇宙論シミュレーション

第109 Molecular abundances in nearby galaxies (NGC 1068, NGC 253, and IC 342)

高野 秀路 氏(日本大学)
令和2年 2月   13 : 30     野辺山45m電波望遠鏡 , アルマ , 分子ガス , スターバースト , 活動銀河核

第108 原始銀河内での種ブラックホールの超臨界成長

豊内 大輔 氏(京都大学 天体核研究室)
令和2年 1月   13 : 30     ブラックホール , 初代銀河 , , 輻射流体シミュレーション

第107 赤方偏移3の宇宙網における銀河形成研究の現在地

梅畑 豪紀 氏(理化学研究所)
令和元年 12月   13 : 30     アルマ , 銀河形成 , 高赤方偏移銀河

第106 Formation of multiple Pop III stars under radiation feedback

杉村 和幸 氏(メリーランド大学)
令和元年 11月   13 : 30     初代星 , PopIII星 , 輻射によるフィードバック , 輻射流体シミュレーション , 宇宙論シミュレーション

第105 「最遠方」シリーズと今後の研究展望

井上 昭雄 氏(早稲田大学)
令和元年 10月   13 : 30     銀河形成 , アルマ , 再電離

第104 New insights into the formation of massive galaxies and galaxy clusters in the early universe

Tao Wang 氏(東京大学 / 国立天文台)
令和元年 9月   13 : 30     銀河形成 , アルマ , 宇宙論シミュレーション

第103 渦状腕の重力不安定性と分裂

井上 茂樹 氏(筑波大学 計算科学研究センター)
令和元年 7月   13 : 30     銀河形成 , 磁気流体力学 , 銀河円盤

第102 分子雲衝突による大質量星形成とフィードバックによる誘発的星形成

島 和宏 氏(京都大学 天体核研究室)
令和元年 6月   13 : 30     星形成 , 輻射輸送 , 分子雲

第101 銀河系における高密度ガス形成:FUGINプロジェクトの結果から銀河における星形成則

久野 成夫 氏(筑波大学 宇宙観測研究室)
令和元年 5月   13 : 30     星形成 , , 分子ガス

第100 初代銀河形成シミュレーション:初代星から低金属度星団形成までの統一的理解に向けて

矢島 秀伸 氏(筑波大学 宇宙理論研究室)
平成31年 4月   15 : 00     PopIII星 , , TMT , 輻射流体シミュレーション , 宇宙論シミュレーション
  1. Molecular abundances in nearby galaxies (NGC 1068, NGC 253, and IC 342), 高野 秀路 氏(日本大学)   令和2年 2月  
  2. 原始銀河内での種ブラックホールの超臨界成長, 豊内 大輔 氏(京都大学 天体核研究室)   令和2年 1月  
  3. 赤方偏移3の宇宙網における銀河形成研究の現在地, 梅畑 豪紀 氏(理化学研究所)   令和元年 12月  
  4. Formation of multiple Pop III stars under radiation feedback, 杉村 和幸 氏(メリーランド大学)   令和元年 11月  
  5. 「最遠方」シリーズと今後の研究展望, 井上 昭雄 氏(早稲田大学)   令和元年 10月  
  6. New insights into the formation of massive galaxies and galaxy clusters in the early universe, Tao Wang 氏(東京大学 / 国立天文台)   令和元年 9月  
  7. 渦状腕の重力不安定性と分裂, 井上 茂樹 氏(筑波大学 計算科学研究センター)   令和元年 7月  
  8. 分子雲衝突による大質量星形成とフィードバックによる誘発的星形成, 島 和宏 氏(京都大学 天体核研究室)   令和元年 6月  
  9. 銀河系における高密度ガス形成:FUGINプロジェクトの結果から銀河における星形成則, 久野 成夫 氏(筑波大学 宇宙観測研究室)   令和元年 5月  
  10. 初代銀河形成シミュレーション:初代星から低金属度星団形成までの統一的理解に向けて, 矢島 秀伸 氏(筑波大学 宇宙理論研究室)   平成31年 4月