つくば宇宙フォーラム

第132

分子ガス観測から探る棒渦巻銀河内部の星形成活動

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前田 郁弥 氏

東京大学天文学教育研究センター

円盤銀河内部の星形成活動は構造(中心部, 腕部, 棒部 など)に依存することが知られている。中でも棒渦巻銀河はその依存性が顕著であり,腕部では活発に星形成しているのに対して,棒部では星形成活動が弱い(星形成率が小さい)ことが知られている。また,非常に活発な星形成活動が腕部と棒部の結合部であるBar endや中心部で見られる場合もある。銀河の星形成を理解する上では,この構造間での星形成活動の差が生まれる原因を明らかにすることが重要な課題である。星は分子ガスから誕生することを考えると,まずは分子ガス...

第131

分子雲における星形成フィラメントの形成と進化

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安部 大晟 氏

名古屋大学

星は分子雲中の高密度領域で形成されるが,その高密度領域がフィラメント状であることがわかっている。フィラメントの形成と進化は星形成の初期条件を決定するため重要である。本発表ではフィラメント形成・進化についての我々の研究成果を報告する。 分子雲を通過する衝撃波がそのフィラメントの形成を誘発することがわかっている。ところがフィラメントの形成機構には複数の理論が乱立しており,理解されたとは言えなかった。本研究では乱立している形成理論を整理するために,衝撃波と分子雲の相互作用を模擬するような3次元磁気流体...

第130

CMB偏光観測実験GroundBIRD

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本多 俊介 氏

筑波大学

宇宙の進化にともなって旅をしてきたビッグバンの残光「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)には138 億年の歴史が刻印されている。CMBにわずかに現れる揺らぎのパターンを精査して引き出された数々の情報は,われわれのもつ宇宙の描像を劇的に更新してきた。現在,CMB偏光揺らぎのパターンを詳細に観測する研究が大きな注目を集めている。インフレーション宇宙論の証拠となる原始重力波の発見やニュートリノ質量和の初測定など,偏光観測で得られる前人未到の成果を目指して,たくさんの研究グループがしのぎを削っている。その...

第129

電波観測で探るマイクロクエーサーSS433のジェットによる宇宙線粒子加速

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酒見 はる香 氏

鹿児島大学

1970年代の発見以来,マイクロクエーサーSS433は銀河系内の最も活動的なジェット天体の1つとして注目を集め続け,数多くの研究が行われてきた。しかしながら,その主星や伴星の正体,天体までの距離の同定など現在でも多くの未解決問題が残されている。さらにはSS433の周辺を取り囲む巨大な電波星雲W50についても,その起源は完全には明らかにされていない。 近年,SS433ジェットからTeVガンマ線が検出された。これはジェットによって宇宙線が高エネルギーに加速されていることを意味しており,マイクロクエ...

第128

The Age of Discovery with JWST: Excavating the First Massive Black Holes and First Galaxies

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稲吉 恒平 氏

北京大学

The James Webb Space Telescope (JWST) is opening a new window of the most distant universe and will unveil the early growth of supermassive black holes (BHs) in the first galaxies. The existence of supermassive massive BHs observed when the universe ...

第127

Probing the impact of feedback by cosmological hydrodynamic simulations

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長峯 健太郎 氏

大阪大学

宇宙背景放射の観測によって,$\Lambda$ cold dark matter (CDM)モデルが標準宇宙モデルとして確立されて,大スケールでは$\Lambda$CDMモデルは非常に成功しており,宇宙大規模構造のバックボーンを提供している。しかし,1Mpc以下の小スケールにおいては,銀河形成に関する理解はまだ多くのギャップがある。特に,超新星爆発やSMBHからのフィードバックは,銀河やSMBH自体の成長を自己制御する上で重要な役割を果たしているが,その詳細なメカニズムはまだよくわかっていない。...

第126

Event Horizon Telescopeによる天の川銀河中心の巨大ブラックホールの撮影成果と将来展望

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森山 小太郎 氏

ゲーテ大学

2022年5月12日,国際共同研究プロジェクト Event Horizon Telescope (EHT) Collaborationにより,私たちの住む天の川銀河中心にある巨大ブラックホール Sgr A*のごく近傍 (数重力半径スケール)の撮影結果が,世界で初めて公開された。 EHTは,世界各国の望遠鏡を結ぶことで地球スケールの仮想望遠鏡を構成し,ブラックホールごく近傍の世界を撮影・解明する,国際共同研究プロジェクトである。 Sgr A*は,最も大きな視直径を持つ巨大ブラックホールであると同時...

第123

初代星の痕跡に迫る多角的研究

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桐原 崇亘 氏

筑波大学計算科学研究センター

初代星はわれわれの宇宙で最初の輝く天体であり,重元素をはじめて生みだす天体でもあるため,宇宙史のなかで特に重要な役割を担っている。しかしながら,いまだ観測的にその直接的な痕跡は得られていない。現在,多波長で新世代の観測機器の運用・観測計画が開始されており,2020-30年代の初代星痕跡の発見が期待される段階にきている。また,重力波干渉計LIGO・VIRGOによる重力波イベントの検出により,重力波を道具とする新時代へと突入した。そのため,初代天体について理論と観測とをつなげて理解を深める研究が求め...

第132

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分子ガス観測から探る棒渦巻銀河内部の星形成活動

前田 郁弥 氏

東京大学天文学教育研究センター

円盤銀河内部の星形成活動は構造(中心部, 腕部, 棒部 など)に依存することが知られている。中でも棒渦巻銀河はその依存性が顕著であり,腕部では活発に星形成しているのに対して,棒部では星形成活動が弱い(星形成率が小さい)ことが知られている。また,非常に活発な星形成活動が腕部と棒部の結合部であるBar endや中心部で見られる場合もある。銀河の星形成を理解する上では,この構造間での星形成活動の差が生まれる原因を明らかにすることが重要な課題である。星は分子ガスから誕生することを考えると,まずは分子ガス...

令和5年 2月   15 : 30     分子雲 , 星形成 , 銀河進化
第131

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分子雲における星形成フィラメントの形成と進化

安部 大晟 氏

名古屋大学

星は分子雲中の高密度領域で形成されるが,その高密度領域がフィラメント状であることがわかっている。フィラメントの形成と進化は星形成の初期条件を決定するため重要である。本発表ではフィラメント形成・進化についての我々の研究成果を報告する。 分子雲を通過する衝撃波がそのフィラメントの形成を誘発することがわかっている。ところがフィラメントの形成機構には複数の理論が乱立しており,理解されたとは言えなかった。本研究では乱立している形成理論を整理するために,衝撃波と分子雲の相互作用を模擬するような3次元磁気流体...

令和5年 1月   15 : 30     星形成 , 分子雲 , 磁気流体力学
第130

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CMB偏光観測実験GroundBIRD

本多 俊介 氏

筑波大学

宇宙の進化にともなって旅をしてきたビッグバンの残光「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)には138 億年の歴史が刻印されている。CMBにわずかに現れる揺らぎのパターンを精査して引き出された数々の情報は,われわれのもつ宇宙の描像を劇的に更新してきた。現在,CMB偏光揺らぎのパターンを詳細に観測する研究が大きな注目を集めている。インフレーション宇宙論の証拠となる原始重力波の発見やニュートリノ質量和の初測定など,偏光観測で得られる前人未到の成果を目指して,たくさんの研究グループがしのぎを削っている。その...

令和4年 12月   15 : 00     宇宙マイクロ波背景放射 , 宇宙論 , Bモード偏光
第129

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電波観測で探るマイクロクエーサーSS433のジェットによる宇宙線粒子加速

酒見 はる香 氏

鹿児島大学

1970年代の発見以来,マイクロクエーサーSS433は銀河系内の最も活動的なジェット天体の1つとして注目を集め続け,数多くの研究が行われてきた。しかしながら,その主星や伴星の正体,天体までの距離の同定など現在でも多くの未解決問題が残されている。さらにはSS433の周辺を取り囲む巨大な電波星雲W50についても,その起源は完全には明らかにされていない。 近年,SS433ジェットからTeVガンマ線が検出された。これはジェットによって宇宙線が高エネルギーに加速されていることを意味しており,マイクロクエ...

令和4年 11月   15 : 30     宇宙線 , 観測
第128

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The Age of Discovery with JWST: Excavating the First Massive Black Holes and First Galaxies

稲吉 恒平 氏

北京大学

The James Webb Space Telescope (JWST) is opening a new window of the most distant universe and will unveil the early growth of supermassive black holes (BHs) in the first galaxies. The existence of supermassive massive BHs observed when the universe ...

令和4年 10月   15 : 30     初期宇宙 , 巨大ブラックホール , 輻射流体シミュレーション
第127

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Probing the impact of feedback by cosmological hydrodynamic simulations

長峯 健太郎 氏

大阪大学

宇宙背景放射の観測によって,$\Lambda$ cold dark matter (CDM)モデルが標準宇宙モデルとして確立されて,大スケールでは$\Lambda$CDMモデルは非常に成功しており,宇宙大規模構造のバックボーンを提供している。しかし,1Mpc以下の小スケールにおいては,銀河形成に関する理解はまだ多くのギャップがある。特に,超新星爆発やSMBHからのフィードバックは,銀河やSMBH自体の成長を自己制御する上で重要な役割を果たしているが,その詳細なメカニズムはまだよくわかっていない。...

令和4年 9月   15 : 00     宇宙論シミュレーション , CGM , 銀河間物質
第126

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Event Horizon Telescopeによる天の川銀河中心の巨大ブラックホールの撮影成果と将来展望

森山 小太郎 氏

ゲーテ大学

2022年5月12日,国際共同研究プロジェクト Event Horizon Telescope (EHT) Collaborationにより,私たちの住む天の川銀河中心にある巨大ブラックホール Sgr A*のごく近傍 (数重力半径スケール)の撮影結果が,世界で初めて公開された。 EHTは,世界各国の望遠鏡を結ぶことで地球スケールの仮想望遠鏡を構成し,ブラックホールごく近傍の世界を撮影・解明する,国際共同研究プロジェクトである。 Sgr A*は,最も大きな視直径を持つ巨大ブラックホールであると同時...

令和4年 7月   15 : 30     SgrA* , ブラックホール , 一般相対論
第125

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ALMA/NOEMA view of galaxy-scale molecular outflows

サラク ドラガン 氏

北海道大学

Kiloparsec-scale outflows of gas and dust are thought to be an important mechanism in regulating star formation in galaxies and increasing the metallicity of circumgalactic and intergalactic media. In the past two decades, outflows have been discover...

令和4年 6月   15 : 30     アルマ , スターバースト , AGNフィードバック
第124

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UV & Ly-alpha halos of LAEs across environments at z=2.84

菊田 智史 氏

筑波大学計算科学研究センター

Diffuse Lyα emission around galaxies, or Lyα halo (LAH), is a valuable probe of their circumgalactic medium which regulate galaxy evolution. We present UV & Lyα radial surface brightness (SB) profiles of Lyα emitters (LAEs) at z = 2.84 detected with ...

令和4年 5月   15 : 30     初期宇宙 , 高赤方偏移銀河
第123

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初代星の痕跡に迫る多角的研究

桐原 崇亘 氏

筑波大学計算科学研究センター

初代星はわれわれの宇宙で最初の輝く天体であり,重元素をはじめて生みだす天体でもあるため,宇宙史のなかで特に重要な役割を担っている。しかしながら,いまだ観測的にその直接的な痕跡は得られていない。現在,多波長で新世代の観測機器の運用・観測計画が開始されており,2020-30年代の初代星痕跡の発見が期待される段階にきている。また,重力波干渉計LIGO・VIRGOによる重力波イベントの検出により,重力波を道具とする新時代へと突入した。そのため,初代天体について理論と観測とをつなげて理解を深める研究が求め...

令和4年 4月   15 : 30     初代星 , 重力波 , 初代銀河

第132 分子ガス観測から探る棒渦巻銀河内部の星形成活動

前田 郁弥 氏(東京大学天文学教育研究センター)
令和5年 2月   15 : 30     分子雲 , 星形成 , 銀河進化

第131 分子雲における星形成フィラメントの形成と進化

安部 大晟 氏(名古屋大学)
令和5年 1月   15 : 30     星形成 , 分子雲 , 磁気流体力学

第130 CMB偏光観測実験GroundBIRD

本多 俊介 氏(筑波大学)
令和4年 12月   15 : 00     宇宙マイクロ波背景放射 , 宇宙論 , Bモード偏光

第129 電波観測で探るマイクロクエーサーSS433のジェットによる宇宙線粒子加速

酒見 はる香 氏(鹿児島大学)
令和4年 11月   15 : 30     宇宙線 , 観測

第128 The Age of Discovery with JWST: Excavating the First Massive Black Holes and First Galaxies

稲吉 恒平 氏(北京大学)
令和4年 10月   15 : 30     初期宇宙 , 巨大ブラックホール , 輻射流体シミュレーション

第127 Probing the impact of feedback by cosmological hydrodynamic simulations

長峯 健太郎 氏(大阪大学)
令和4年 9月   15 : 00     宇宙論シミュレーション , CGM , 銀河間物質

第126 Event Horizon Telescopeによる天の川銀河中心の巨大ブラックホールの撮影成果と将来展望

森山 小太郎 氏(ゲーテ大学)
令和4年 7月   15 : 30     SgrA* , ブラックホール , 一般相対論

第125 ALMA/NOEMA view of galaxy-scale molecular outflows

サラク ドラガン 氏(北海道大学)
令和4年 6月   15 : 30     アルマ , スターバースト , AGNフィードバック

第124 UV & Ly-alpha halos of LAEs across environments at z=2.84

菊田 智史 氏(筑波大学計算科学研究センター)
令和4年 5月   15 : 30     初期宇宙 , 高赤方偏移銀河

第123 初代星の痕跡に迫る多角的研究

桐原 崇亘 氏(筑波大学計算科学研究センター)
令和4年 4月   15 : 30     初代星 , 重力波 , 初代銀河
  1. 分子ガス観測から探る棒渦巻銀河内部の星形成活動, 前田 郁弥 氏(東京大学天文学教育研究センター)   令和5年 2月  
  2. 分子雲における星形成フィラメントの形成と進化, 安部 大晟 氏(名古屋大学)   令和5年 1月  
  3. CMB偏光観測実験GroundBIRD, 本多 俊介 氏(筑波大学)   令和4年 12月  
  4. 電波観測で探るマイクロクエーサーSS433のジェットによる宇宙線粒子加速, 酒見 はる香 氏(鹿児島大学)   令和4年 11月  
  5. The Age of Discovery with JWST: Excavating the First Massive Black Holes and First Galaxies, 稲吉 恒平 氏(北京大学)   令和4年 10月  
  6. Probing the impact of feedback by cosmological hydrodynamic simulations, 長峯 健太郎 氏(大阪大学)   令和4年 9月  
  7. Event Horizon Telescopeによる天の川銀河中心の巨大ブラックホールの撮影成果と将来展望, 森山 小太郎 氏(ゲーテ大学)   令和4年 7月  
  8. ALMA/NOEMA view of galaxy-scale molecular outflows, サラク ドラガン 氏(北海道大学)   令和4年 6月  
  9. UV & Ly-alpha halos of LAEs across environments at z=2.84, 菊田 智史 氏(筑波大学計算科学研究センター)   令和4年 5月  
  10. 初代星の痕跡に迫る多角的研究, 桐原 崇亘 氏(筑波大学計算科学研究センター)   令和4年 4月