つくば宇宙フォーラム

第78

大規模探査で迫る巨大ブラックホール進化

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長尾 透 氏

愛媛大学 宇宙進化研究センター

これまでの観測的研究により,大質量銀河の中心には巨大なブラックホールが存在することが明らかになっている。この巨大ブラックホールは母銀河と互いに影響を及ぼし合いながら進化を遂げてきたと考えられてはいるが,巨大ブラックホールの形成進化は未だ包括的理解が得られていない。そこで,巨大ブラックホールへのガス降着により明るく輝く天体であるクェーサーに注目し,このクェーサーの統計的性質が赤方偏移とともにどのように変遷してきたかという調査が盛んに行われてきている。本談話会では,SDSSなどこれまでに行われてき...

第77

活動銀河核アウトフローの輻射流体シミュレーション

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野村 真理子 氏

筑波大学 宇宙物理理論研究室

活動銀河核(Active Galactic Nuclei; AGN)とは強力な輻射やジェットを伴う銀河の中心核であり,その活動のエネルギー源は巨大ブラックホールとその周囲を取り巻くガス降着円盤であると考えられている。AGNの輻射スペクトルにブルーシフトした吸収線が発見され,降着円盤からはジェットとは異なるアウトフローが噴出していることがわかってきた。一部のアウトフローは,大きな質量・エネルギーを放出しており,巨大ブラックホールと母銀河の進化過程において重要な役割を担っている可能性がある。しかし...

第76

ダスト観測による高赤方偏移銀河の探査

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中井 直正 氏

筑波大学 宇宙観測研究室

初代星は重元素がない時代に水素分子から生まれるために原理的にダスト放射の観測はできない。しかしそのような初期の時代では寿命の短い(巨)大質量星が大量に生まれるために,重元素は急激に増加し,ダストを含んだ銀河がすみやかに形成され観測されることが期待される。本フォーラムではz~6-8の高赤方偏移のダスト放射の電波観測について紹介する。 ...

第75

The evolution of the mass functions of active supermassive black holes and their host galaxies out to z~2

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アンドレアス・シュルツェ氏

カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

Understanding the influence of black hole growth on star formation and galaxy evolution over cosmic time scales requires a census of the AGN population, in particular in respect to their black hole masses, accretion rates and host galaxy stellar mass...

第74

近傍矮小銀河で探る暗黒物質の正体

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林 航平 氏

カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

矮小銀河は階層的構造形成の枠組みの中で,大きな銀河を作る種として考えられ,また宇宙初期から存在する始原的な天体であると考えられている。よって,宇宙の構造形成や銀河の形成・進化を知る上で非常に注目すべき天体の1つである。さらに矮小銀河はダークマターが支配的な系であるため,ダークマターの基本的性質を知る上でも重要な天体であると言える。特にその質量構造は,宇宙を記述する理論的パラダイムである冷たい暗黒物質(Cold Dark Matter;CDM)理論が予言するそれと大きく異なっており,CDM理論の大...

第73

Collisionless Weibel shocks and electron acceleration in gamma-ray bursts

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カゼム・アルダネ 氏

筑波大学,コンピューターサイエンス専攻

A study of collisionless external shocks in gamma-ray bursts is presented. The shock structure, electromagnetic fields, and process of electron acceleration are assessed by using a self-consistent 3D particle-in-cell simulation. In accordance with h...

第72

力学インダクタンス検出器を用いたミリ波帯広視野カメラの開発

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新田 冬夢氏

筑波大学

 ミリ波サブミリ波帯における広視野サーベイ観測から遠方銀河などの天体を効率よく検出するために,撮像観測用の多画素カメラの開発を進めている。カメラの検出器には,誘電体基板と超伝導膜一層から構成される力学インダクタンス検出器(Microwave Kinetic Inductance Detector : MKID)と呼ばれる超伝導検出器を用いている。今回は,超伝導検出器を用いたカメラ開発や観測の現状,また我々が進めている野辺山45m電波望遠鏡,南極望遠鏡搭載へ向けたMKIDカメラ開発などを合わせて...

第71

波長~1mmの 高感度-高分解能観測で見えてくる近傍銀河の新たな姿

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坂本 和 氏

Academia Sinica Institute of Astronomy and Astrophysics (ASIAA)

銀河は観測波長,感度,空間分解能によって異なる姿を見せる。渦状銀河内部領域において主要な星間物質である分子ガスに対して,古典的な波長3mm帯の一酸化炭素輝線観測はガスの銀河円盤内の運動,分布,渦状腕や星形成との関係等について多くの情報を与えてきた。これに対して,近年の進展が著しい波長~1mmの高感度-高分解能観測がもたらしつつある,大光度銀河中心核,高速分子双極流,高励起分子輝線,などの新たな情報を紹介する。 ...

第70

Astrochemisry of Water

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相川 祐理 氏

筑波大学 計算科学研究センター 宇宙物理理論研究室

星間化学の研究について,水分子を例に解説する。水は地球の表層環境を決める 重要な分子の一つである。この水はどこからきたのだろうか?地球の海水は重水素同位体を 多く含むので,分子雲や原始惑星系円盤外縁部のような低温で生成されたと考えられている。実際,水分子は分子雲中にも豊富に存在し,宇宙元素存在度の酸素の10%ほどを占める。講演 では,分子雲形成から原始惑星系円盤までの星間化学モデルを水を中心に概観し,最近観測で 測られるようになった分子雲中の水の重水素比や彗星の観測と比較する。 ...

第69

銀河の渦状構造

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久野 成夫 氏

筑波大学 宇宙観測研究室

近傍銀河の2/3は渦状構造を持つことが知られており,銀河の形態分類にも用いられている。また,渦状腕では活発な星形成が起きており,銀河の星形成や進化を理解するためには,渦状構造の理解は重要である。しかし,銀河の渦状構造がどのように形成・維持されているのか,いくつかのアイデアは示されているが,いまのところまだはっきりした結論は得られていない。今回は,銀河の渦状構造に関する主に観測的研究の現状を紹介する。 ...

第78

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大規模探査で迫る巨大ブラックホール進化

長尾 透 氏

愛媛大学 宇宙進化研究センター

これまでの観測的研究により,大質量銀河の中心には巨大なブラックホールが存在することが明らかになっている。この巨大ブラックホールは母銀河と互いに影響を及ぼし合いながら進化を遂げてきたと考えられてはいるが,巨大ブラックホールの形成進化は未だ包括的理解が得られていない。そこで,巨大ブラックホールへのガス降着により明るく輝く天体であるクェーサーに注目し,このクェーサーの統計的性質が赤方偏移とともにどのように変遷してきたかという調査が盛んに行われてきている。本談話会では,SDSSなどこれまでに行われてき...

平成28年 2月   16 : 45     巨大ブラックホール
第77

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活動銀河核アウトフローの輻射流体シミュレーション

野村 真理子 氏

筑波大学 宇宙物理理論研究室

活動銀河核(Active Galactic Nuclei; AGN)とは強力な輻射やジェットを伴う銀河の中心核であり,その活動のエネルギー源は巨大ブラックホールとその周囲を取り巻くガス降着円盤であると考えられている。AGNの輻射スペクトルにブルーシフトした吸収線が発見され,降着円盤からはジェットとは異なるアウトフローが噴出していることがわかってきた。一部のアウトフローは,大きな質量・エネルギーを放出しており,巨大ブラックホールと母銀河の進化過程において重要な役割を担っている可能性がある。しかし...

平成28年 1月   13 : 30     活動銀河核
第76

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ダスト観測による高赤方偏移銀河の探査

中井 直正 氏

筑波大学 宇宙観測研究室

初代星は重元素がない時代に水素分子から生まれるために原理的にダスト放射の観測はできない。しかしそのような初期の時代では寿命の短い(巨)大質量星が大量に生まれるために,重元素は急激に増加し,ダストを含んだ銀河がすみやかに形成され観測されることが期待される。本フォーラムではz~6-8の高赤方偏移のダスト放射の電波観測について紹介する。 ...

平成27年 12月   13 : 30    
第75

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The evolution of the mass functions of active supermassive black holes and their host galaxies out to z~2

アンドレアス・シュルツェ氏

カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

Understanding the influence of black hole growth on star formation and galaxy evolution over cosmic time scales requires a census of the AGN population, in particular in respect to their black hole masses, accretion rates and host galaxy stellar mass...

平成27年 11月   13 : 30     クエーサー , ブラックホール , 銀河進化
第74

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近傍矮小銀河で探る暗黒物質の正体

林 航平 氏

カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

矮小銀河は階層的構造形成の枠組みの中で,大きな銀河を作る種として考えられ,また宇宙初期から存在する始原的な天体であると考えられている。よって,宇宙の構造形成や銀河の形成・進化を知る上で非常に注目すべき天体の1つである。さらに矮小銀河はダークマターが支配的な系であるため,ダークマターの基本的性質を知る上でも重要な天体であると言える。特にその質量構造は,宇宙を記述する理論的パラダイムである冷たい暗黒物質(Cold Dark Matter;CDM)理論が予言するそれと大きく異なっており,CDM理論の大...

平成27年 10月   13 : 30     暗黒物質 , 矮小銀河
第73

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Collisionless Weibel shocks and electron acceleration in gamma-ray bursts

カゼム・アルダネ 氏

筑波大学,コンピューターサイエンス専攻

A study of collisionless external shocks in gamma-ray bursts is presented. The shock structure, electromagnetic fields, and process of electron acceleration are assessed by using a self-consistent 3D particle-in-cell simulation. In accordance with h...

平成27年 9月   13 : 30     ガンマ線バースト
第72

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力学インダクタンス検出器を用いたミリ波帯広視野カメラの開発

新田 冬夢氏

筑波大学

 ミリ波サブミリ波帯における広視野サーベイ観測から遠方銀河などの天体を効率よく検出するために,撮像観測用の多画素カメラの開発を進めている。カメラの検出器には,誘電体基板と超伝導膜一層から構成される力学インダクタンス検出器(Microwave Kinetic Inductance Detector : MKID)と呼ばれる超伝導検出器を用いている。今回は,超伝導検出器を用いたカメラ開発や観測の現状,また我々が進めている野辺山45m電波望遠鏡,南極望遠鏡搭載へ向けたMKIDカメラ開発などを合わせて...

平成27年 7月   13 : 30    
第71

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波長~1mmの 高感度-高分解能観測で見えてくる近傍銀河の新たな姿

坂本 和 氏

Academia Sinica Institute of Astronomy and Astrophysics (ASIAA)

銀河は観測波長,感度,空間分解能によって異なる姿を見せる。渦状銀河内部領域において主要な星間物質である分子ガスに対して,古典的な波長3mm帯の一酸化炭素輝線観測はガスの銀河円盤内の運動,分布,渦状腕や星形成との関係等について多くの情報を与えてきた。これに対して,近年の進展が著しい波長~1mmの高感度-高分解能観測がもたらしつつある,大光度銀河中心核,高速分子双極流,高励起分子輝線,などの新たな情報を紹介する。 ...

平成27年 6月   13 : 30     分子ガス ,
第70

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Astrochemisry of Water

相川 祐理 氏

筑波大学 計算科学研究センター 宇宙物理理論研究室

星間化学の研究について,水分子を例に解説する。水は地球の表層環境を決める 重要な分子の一つである。この水はどこからきたのだろうか?地球の海水は重水素同位体を 多く含むので,分子雲や原始惑星系円盤外縁部のような低温で生成されたと考えられている。実際,水分子は分子雲中にも豊富に存在し,宇宙元素存在度の酸素の10%ほどを占める。講演 では,分子雲形成から原始惑星系円盤までの星間化学モデルを水を中心に概観し,最近観測で 測られるようになった分子雲中の水の重水素比や彗星の観測と比較する。 ...

平成27年 5月   15 : 00    
第69

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銀河の渦状構造

久野 成夫 氏

筑波大学 宇宙観測研究室

近傍銀河の2/3は渦状構造を持つことが知られており,銀河の形態分類にも用いられている。また,渦状腕では活発な星形成が起きており,銀河の星形成や進化を理解するためには,渦状構造の理解は重要である。しかし,銀河の渦状構造がどのように形成・維持されているのか,いくつかのアイデアは示されているが,いまのところまだはっきりした結論は得られていない。今回は,銀河の渦状構造に関する主に観測的研究の現状を紹介する。 ...

平成27年 4月   13 : 30     銀河形成 , 星形成

第78 大規模探査で迫る巨大ブラックホール進化

長尾 透 氏(愛媛大学 宇宙進化研究センター)
平成28年 2月   16 : 45     巨大ブラックホール

第77 活動銀河核アウトフローの輻射流体シミュレーション

野村 真理子 氏(筑波大学 宇宙物理理論研究室)
平成28年 1月   13 : 30     活動銀河核

第76 ダスト観測による高赤方偏移銀河の探査

中井 直正 氏(筑波大学 宇宙観測研究室)
平成27年 12月   13 : 30    

第75 The evolution of the mass functions of active supermassive black holes and their host galaxies out to z~2

アンドレアス・シュルツェ氏(カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU))
平成27年 11月   13 : 30     クエーサー , ブラックホール , 銀河進化

第74 近傍矮小銀河で探る暗黒物質の正体

林 航平 氏(カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU))
平成27年 10月   13 : 30     暗黒物質 , 矮小銀河

第73 Collisionless Weibel shocks and electron acceleration in gamma-ray bursts

カゼム・アルダネ 氏(筑波大学,コンピューターサイエンス専攻)
平成27年 9月   13 : 30     ガンマ線バースト

第72 力学インダクタンス検出器を用いたミリ波帯広視野カメラの開発

新田 冬夢氏(筑波大学)
平成27年 7月   13 : 30    

第71 波長~1mmの 高感度-高分解能観測で見えてくる近傍銀河の新たな姿

坂本 和 氏(Academia Sinica Institute of Astronomy and Astrophysics (ASIAA))
平成27年 6月   13 : 30     分子ガス ,

第70 Astrochemisry of Water

相川 祐理 氏(筑波大学 計算科学研究センター 宇宙物理理論研究室)
平成27年 5月   15 : 00    

第69 銀河の渦状構造

久野 成夫 氏(筑波大学 宇宙観測研究室)
平成27年 4月   13 : 30     銀河形成 , 星形成
  1. 大規模探査で迫る巨大ブラックホール進化, 長尾 透 氏(愛媛大学 宇宙進化研究センター)   平成28年 2月  
  2. 活動銀河核アウトフローの輻射流体シミュレーション, 野村 真理子 氏(筑波大学 宇宙物理理論研究室)   平成28年 1月  
  3. ダスト観測による高赤方偏移銀河の探査, 中井 直正 氏(筑波大学 宇宙観測研究室)   平成27年 12月  
  4. The evolution of the mass functions of active supermassive black holes and their host galaxies out to z~2, アンドレアス・シュルツェ氏(カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU))   平成27年 11月  
  5. 近傍矮小銀河で探る暗黒物質の正体, 林 航平 氏(カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU))   平成27年 10月  
  6. Collisionless Weibel shocks and electron acceleration in gamma-ray bursts, カゼム・アルダネ 氏(筑波大学,コンピューターサイエンス専攻)   平成27年 9月  
  7. 力学インダクタンス検出器を用いたミリ波帯広視野カメラの開発, 新田 冬夢氏(筑波大学)   平成27年 7月  
  8. 波長~1mmの 高感度-高分解能観測で見えてくる近傍銀河の新たな姿, 坂本 和 氏(Academia Sinica Institute of Astronomy and Astrophysics (ASIAA))   平成27年 6月  
  9. Astrochemisry of Water, 相川 祐理 氏(筑波大学 計算科学研究センター 宇宙物理理論研究室)   平成27年 5月  
  10. 銀河の渦状構造, 久野 成夫 氏(筑波大学 宇宙観測研究室)   平成27年 4月