つくば宇宙フォーラム

第101

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銀河系における高密度ガス形成:FUGINプロジェクトの結果から銀河における星形成則

久野 成夫 氏

筑波大学 宇宙観測研究室


要旨

FUGINプロジェクトは,野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡を用いた12CO(J=1-0),13CO(J=1-0),C18O(J=1-0)輝線による銀河面サーベイである。銀河系内での分子雲形成,高密度ガス形成,星形成といった星間ガスの進化過程を理解することを目標としており,観測が終了し多くの成果が出始めている。例えば,銀河系内での高密度分子ガス形成について,3輝線を用いて高密度分子ガスの割合を調べた結果,バーエンドや渦状腕で高くなっており,棒状部分で低くなっていることがわかった。また,高密度分子ガスの割合が高くなっている領域に存在する巨大分子雲(W51, W43)の内部を調べた結果,複数の速度成分が衝突することで高密度分子ガスが形成されていることが示唆されている。

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