つくば宇宙フォーラム

第111

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Warm-Hot Intergalactic Medium の重元素の超微細構造線を用いた新しい観測手法

吉川 耕司 氏

筑波大学 宇宙理論研究室


要旨

現在の宇宙において,観測的に同定できるバリオンの質量が宇宙マイクロ波背景放射や遠方宇宙での中性水素の吸収線系の観測から見積もられるバリオン質量よりも有意に少ないということが知られている。このような現在の宇宙において観測的に未同定のバリオンはdark baryon(もしくは missing baryon)と呼ばれている。 そのような未同定のバリオンは理論的には宇宙大規模構造のフィラメントやダークマターハローの外縁部に Warm-Hot Intergalactic Medium (WHIM) と呼ばれる希薄なプラズマとして存在していると考えられ,その観測的な同定や物理状態を調べることは宇宙の構造形成やバリオンの熱史を調べるうえで重要なテーマである。 本講演では,現在計画中のWHIMのX線観測計画の概観を紹介したあと,WHIMを観測するための観測手段として重元素の超微細構造線を用いた新しい手法を紹介する。

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