第78回
これまでの観測的研究により,大質量銀河の中心には巨大なブラックホールが存在することが明らかになっている。この巨大ブラックホールは母銀河と互いに影響を及ぼし合いながら進化を遂げてきたと考えられてはいるが,巨大ブラックホールの形成進化は未だ包括的理解が得られていない。そこで,巨大ブラックホールへのガス降着により明るく輝く天体であるクェーサーに注目し,このクェーサーの統計的性質が赤方偏移とともにどのように変遷してきたかという調査が盛んに行われてきている。本談話会では,SDSSなどこれまでに行われてきているクェーサー探査について概観した上で,残された謎について整理し,講演者らがすばる望遠鏡で行ってきているクェーサー探査についてこれまでの成果および現在進行中の観測内容について紹介したい。