筑波大学 計算科学研究センター
第70回
星間化学の研究について,水分子を例に解説する。水は地球の表層環境を決める 重要な分子の一つである。この水はどこからきたのだろうか?地球の海水は重水素同位体を 多く含むので,分子雲や原始惑星系円盤外縁部のような低温で生成されたと考えられている。実際,水分子は分子雲中にも豊富に存在し,宇宙元素存在度の酸素の10%ほどを占める。講演 では,分子雲形成から原始惑星系円盤までの星間化学モデルを水を中心に概観し,最近観測で 測られるようになった分子雲中の水の重水素比や彗星の観測と比較する。