第62回
銀河において星間ガスからどのように星が生まれてくるのか,そのメカニズムを理解するために,星形成の直接の材料となる分子ガスの観測が非常に重要となる。
我々のグループでは,野辺山45m鏡,ASTE,野辺山ミリ波干渉計,ALMAを用いて,近傍銀河の分子ガスの観測を行い,分子ガスと星形成の関係についての研究を進めてきた。 近年では,観測装置の性能向上によって,近傍銀河を巨大分子雲(GMC)スケールの分解能で観測することも可能となってきており,GMCの進化過程も見えてきている。 今回は,最近の成果(45m鏡,ASTEによるM33のGMCサーベイ,ALMAによるM83観測など)について紹介したい。
また,野辺山45m鏡によるレガシープロジェクトとして進められている近傍銀河のCOサーベイ(COMING)と12CO,13CO,C18Oの3輝線による銀河面サーベイについても紹介したい。