第59回
CMB地上観測実験POLARBEARは2013年12月に初期観測の結果を発表した。 POLARBEARはチリ・アタカマ高原に設置されたCMB偏光に特化した望遠鏡である。 2012年5月から科学観測を始め,現在世界最高レベルの感度を達成し,世界で初めて重力レンズ効果をCMB偏向データのみにてとらえる事に成功した。 これは,将来のニュートリノ質量和の精密測定に繋がるマイルストーンの達成であり,また今後原始重力波の発見とインフレーション理論の検証へ重要なステップである。 本講演では,CMBで探る宇宙論の現状を紹介する共に,POLARBEARの実験概要及びその最新結果を紹介する。