つくば宇宙フォーラム

第26

超新星残骸からの宇宙線の逃走

大平 豊 氏

KEK


要旨

Hess による銀河宇宙線の発見から100年が経とうとしているが,未だその起源,加速機構は謎のままである。 起源は超新星残骸,加速機構は衝撃波統計加速がスタンダードモデルであるが,近年の観測はこのスターンダードモデルと矛盾する結果を出している。 我々は,宇宙線が超新星残骸から逃走するとき,宇宙線のスペクトルが変化することに気付き,多くの矛盾を説明できることを示した。 本講演では,スタンダードシナリオと,最近の宇宙線や超新星残骸のガンマ線観測の結果,矛盾点を紹介した後,我々の最近の研究結果を紹介する。