第4回
現在の宇宙のバリオンの大半は,観測的に同定できていないMissing Baryon であることがここ10年来明らかになってきた。このMissing Baryonの正体とし て有力視されているのが,10万度から1000万度の温度を持ち宇宙の大規模構造 や銀河団外縁部に分布すると考えられている Warm-Hot Intergalactic Medium (WHIM) である。今回の発表では,WHIMの検出可能性,WHIMの形成過程で重要 となるプラズマの2温度構造,非平衡電離過程,WHIMや銀河団ガスを加熱する cosmological shock について数値シミュレーションで得られた結果を述べる。 また,今後のスペースでの観測計画について述べる予定である。