つくば宇宙理論セミナー

第12

ブラックホールのフライホイール・エンジンの理論と,AGNの統計的性質への応用

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新田 伸也 氏

筑波技術大学

ブラックホール(BH)によるエネルギー解放機構は,大きく分けて2種類知られている。一つは,降着物質の重力エネルギーをBHの深いポテンシャルによって解放するもので,Fuel engineと呼ばれている。もう一つがFly-Wheel engineで,こちらはBH自身のもつ巨大な回転エネルギーを電磁気的なプロセスによって解放するものである。これまでのほとんどの研究はFuel engineに関するものであるが,Fly-Wheel engine には以下の魅力的な特徴があり,近年再度注目されている。 A...

第11

超新星残骸における乱流と磁場増幅

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井上 剛志 氏

国立天文台

近年のSNRのX線観測によってSNR内の磁場はISMの数百倍にまで増幅されていることが発見されている(Uchiyama et al 2007)。我々は2,3次元のMHDシミュレーションによって cloudと衝撃波の相互作用がSNR内に渦を生成し,それが磁場を強く増幅することを示した。増幅された磁場の最大強度は1mG (200倍の増幅)に達しており,X線観測で発見された強磁場領域と非常に良く一致している。磁場増幅が観測されるSNRの一つは分子雲との相関が知られており,このメカニズムはSNRを理解す...

第10

もうひとつのdynamical friction: コア構造ハローによるdynamical friction 抑制のメカニズム

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井上 茂樹 氏

東北大学

構造形成N体シミュレーションによって,銀河中の暗黒物質構造は,NFWプロファイルのようなカスプ構造であるということが示された。しかし,実際の観測はむしろ中心部で密度が一定なコア構造を支持している。(カスプ-コア問題) このカスプ-コア問題において,コア構造ハローを支持する事例として,矮小銀河中の球状星団の存在が挙げられる。矮小銀河中ではdynamical frictionによって球状星団が存在できないはずであるが,今もなお存在が多数確認されているという事実である。これに対して,ハローがコア構造で...

第9

ライマンアルファ銀河の観測で探る銀河進化と宇宙再電離時代

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太田 一陽 氏

理化学研究所

我々は,すばる望遠鏡・主焦点カメラと狭帯域フィルター(波長約0.975ミクロン)を用いて赤方偏移z=7のライマンアルファ輝線銀河(Lyman Alpha Emitter=LAE)の広視野探査を行い,z=6.96LAEの検出と分光同定に成功した。この銀河は最近z=8.3ガンマ線バースト(GRB)が発見されるまで約3年間最遠方天体の記録を保持した。しかし,主焦点カメラのCCD感度は波長0.9-1ミクロンでは低く,z=7 LAE1個の発見がやっとだった。 z>7銀河の探査能力を高める為,主焦点...

第7

Escape fraction of ionizing photons in high-z galaxies: implications on DLAs and LAEs

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長峯 健太郎 氏

ネバダ大学ラスベガス校

At the beginning of my talk, I will introduce the faculty members of the UNLV astrophysics group, for the students who might be interested in visiting us for collaborative research. Our research interests match quite well with those of CCS at Tsukuba...

第6

恒星系との相互作用によるSMBH連星の進化

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岩澤 全規 氏

国立天文台・理論研究部

多くの銀河中心領域には106-109太陽質量の大質量ブラックホール(SMBH)が存在する。この様なSMBHを持つ銀河同士の衝突合体によって,合体銀河の中心にはSMBH連星が出来ると考えられている。この連星は星と相互作用をする事によって,連星間の距離を縮めて行くがやがて相互作用できる星がなくなり(loss cone depletion)連星の進化が非常に遅くなる。星同士の相互作用による2体緩和の効果で星は供給されるが,このタイムスケールを見積もるとハッブルタイムより長くなってしまいSMBH連星は合...

第3

磁場を考慮したブラックホール降着円盤の一次元定常解

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小田 寛 氏

千葉大学

銀河系内のブラックホール候補天体は,中心天体への質量降着にともなうガスの重力エネルギーの解放により輝いていると考えられており,様々なX線スペクトル状態(Low/Hard 状態,High/Soft状態, etc...),状態遷移を示す。これらのX線スペクトル状態は粘性円盤モデルによってある程度説明されるが,磁場を考慮していない従来のモデルでは説明できない状態 (例えば,Bright/Hard状態(Miyakawa et al. 2008),Bright/Slow遷移(Gierlinski &...

第1

SSA22原始銀河団に対するサブミリ波銀河探査

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田村 陽一 氏

国立天文台野辺山

宇宙の大規模構造はどのように形成し成長したのか。また,その大規模構造の中で大質量銀河(約1011太陽質量)はどのように形成・進化したのか。非相対論的暗黒物質に基づく現在の構造形成論によれば,銀河団は暗黒物質の空間分布のピークに位置する。なかでも高密度のピークでは爆発的星形成を伴った大銀河の形成が生じている可能性が高く,超新星爆発により生成された星間ダストが銀河全体を覆い尽くすと考えられる。このダストは星形成領域からの紫外線をほぼすべて吸収し,遠赤外線からミリ波サブミリ波領域で莫大なエネルギーを放...

第12

Image

ブラックホールのフライホイール・エンジンの理論と,AGNの統計的性質への応用

新田 伸也 氏

筑波技術大学

ブラックホール(BH)によるエネルギー解放機構は,大きく分けて2種類知られている。一つは,降着物質の重力エネルギーをBHの深いポテンシャルによって解放するもので,Fuel engineと呼ばれている。もう一つがFly-Wheel engineで,こちらはBH自身のもつ巨大な回転エネルギーを電磁気的なプロセスによって解放するものである。これまでのほとんどの研究はFuel engineに関するものであるが,Fly-Wheel engine には以下の魅力的な特徴があり,近年再度注目されている。 A...

平成22年 2月   15 : 00     活動銀河核 , 巨大ブラックホール
第11

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超新星残骸における乱流と磁場増幅

井上 剛志 氏

国立天文台

近年のSNRのX線観測によってSNR内の磁場はISMの数百倍にまで増幅されていることが発見されている(Uchiyama et al 2007)。我々は2,3次元のMHDシミュレーションによって cloudと衝撃波の相互作用がSNR内に渦を生成し,それが磁場を強く増幅することを示した。増幅された磁場の最大強度は1mG (200倍の増幅)に達しており,X線観測で発見された強磁場領域と非常に良く一致している。磁場増幅が観測されるSNRの一つは分子雲との相関が知られており,このメカニズムはSNRを理解す...

平成22年 2月   15 : 00     超新星残骸 , 磁気流体力学 , クラウド
第10

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もうひとつのdynamical friction: コア構造ハローによるdynamical friction 抑制のメカニズム

井上 茂樹 氏

東北大学

構造形成N体シミュレーションによって,銀河中の暗黒物質構造は,NFWプロファイルのようなカスプ構造であるということが示された。しかし,実際の観測はむしろ中心部で密度が一定なコア構造を支持している。(カスプ-コア問題) このカスプ-コア問題において,コア構造ハローを支持する事例として,矮小銀河中の球状星団の存在が挙げられる。矮小銀河中ではdynamical frictionによって球状星団が存在できないはずであるが,今もなお存在が多数確認されているという事実である。これに対して,ハローがコア構造で...

平成21年 11月   13 : 30     N体シミュレーション , 暗黒物質 , 運動摩擦
第9

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ライマンアルファ銀河の観測で探る銀河進化と宇宙再電離時代

太田 一陽 氏

理化学研究所

我々は,すばる望遠鏡・主焦点カメラと狭帯域フィルター(波長約0.975ミクロン)を用いて赤方偏移z=7のライマンアルファ輝線銀河(Lyman Alpha Emitter=LAE)の広視野探査を行い,z=6.96LAEの検出と分光同定に成功した。この銀河は最近z=8.3ガンマ線バースト(GRB)が発見されるまで約3年間最遠方天体の記録を保持した。しかし,主焦点カメラのCCD感度は波長0.9-1ミクロンでは低く,z=7 LAE1個の発見がやっとだった。 z>7銀河の探査能力を高める為,主焦点...

平成21年 10月   13 : 30     ライマン・アルファ輝線天体 , 観測
第8

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Fast Reionization Simulations for LOFAR

Rajat Mani Thomas 氏

IPMU

The redshifted 21-cm cosmological signal from the "dark ages of the universe" as it transitions into the epoch of reionization (EoR) has been a subject of intense study in the last decade, fueled by the promise of upcoming large radio telescope array...

平成21年 9月   14 : 00     再電離 , LOFAR , 輻射輸送
第7

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Escape fraction of ionizing photons in high-z galaxies: implications on DLAs and LAEs

長峯 健太郎 氏

ネバダ大学ラスベガス校

At the beginning of my talk, I will introduce the faculty members of the UNLV astrophysics group, for the students who might be interested in visiting us for collaborative research. Our research interests match quite well with those of CCS at Tsukuba...

平成21年 8月   13 : 30     ライマン・アルファ輝線天体 , DLA , 再電離 , 流体力学
第6

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恒星系との相互作用によるSMBH連星の進化

岩澤 全規 氏

国立天文台・理論研究部

多くの銀河中心領域には106-109太陽質量の大質量ブラックホール(SMBH)が存在する。この様なSMBHを持つ銀河同士の衝突合体によって,合体銀河の中心にはSMBH連星が出来ると考えられている。この連星は星と相互作用をする事によって,連星間の距離を縮めて行くがやがて相互作用できる星がなくなり(loss cone depletion)連星の進化が非常に遅くなる。星同士の相互作用による2体緩和の効果で星は供給されるが,このタイムスケールを見積もるとハッブルタイムより長くなってしまいSMBH連星は合...

平成21年 6月   13 : 30     巨大ブラックホールバイナリー
第5

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Testing the black hole paradigm with future observations of SgrA*

コジモ バンビ 氏

IPMU

So far, there are several indications supporting the existence of black holes, but for sure no smoking gun. The possible observation and study of the shadow of the black hole in the Galactic Center could confirm the black hole paradigm and permit tes...

平成21年 6月   13 : 30     SgrA* , ブラックホール , 観測
第4

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A New Perspective on the Complex Halo of M31

R. マイケル リッチ 氏

カリフォルニア大学

N/A ...

平成21年 6月   14 : 00     アンドロメダ銀河 , 銀河ハロー
第3

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磁場を考慮したブラックホール降着円盤の一次元定常解

小田 寛 氏

千葉大学

銀河系内のブラックホール候補天体は,中心天体への質量降着にともなうガスの重力エネルギーの解放により輝いていると考えられており,様々なX線スペクトル状態(Low/Hard 状態,High/Soft状態, etc...),状態遷移を示す。これらのX線スペクトル状態は粘性円盤モデルによってある程度説明されるが,磁場を考慮していない従来のモデルでは説明できない状態 (例えば,Bright/Hard状態(Miyakawa et al. 2008),Bright/Slow遷移(Gierlinski &...

平成21年 5月   13 : 30     降着円盤 , 巨大ブラックホール , 磁気流体力学
第2

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GPUを用いた数値計算

中里 直人 氏

会津大学

グラッフィクカードGPUを利用した重力多体系,SPH+アルファの計算方法について ...

平成21年 4月   15 : 00     GPU
第1

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SSA22原始銀河団に対するサブミリ波銀河探査

田村 陽一 氏

国立天文台野辺山

宇宙の大規模構造はどのように形成し成長したのか。また,その大規模構造の中で大質量銀河(約1011太陽質量)はどのように形成・進化したのか。非相対論的暗黒物質に基づく現在の構造形成論によれば,銀河団は暗黒物質の空間分布のピークに位置する。なかでも高密度のピークでは爆発的星形成を伴った大銀河の形成が生じている可能性が高く,超新星爆発により生成された星間ダストが銀河全体を覆い尽くすと考えられる。このダストは星形成領域からの紫外線をほぼすべて吸収し,遠赤外線からミリ波サブミリ波領域で莫大なエネルギーを放...

平成21年 4月   15 : 00     サブミリ波 , プロトクラスター , 観測

第12 ブラックホールのフライホイール・エンジンの理論と,AGNの統計的性質への応用

新田 伸也 氏(筑波技術大学)
平成22年 2月   15 : 00     活動銀河核 , 巨大ブラックホール

第11 超新星残骸における乱流と磁場増幅

井上 剛志 氏(国立天文台)
平成22年 2月   15 : 00     超新星残骸 , 磁気流体力学 , クラウド

第10 もうひとつのdynamical friction: コア構造ハローによるdynamical friction 抑制のメカニズム

井上 茂樹 氏(東北大学)
平成21年 11月   13 : 30     N体シミュレーション , 暗黒物質 , 運動摩擦

第9 ライマンアルファ銀河の観測で探る銀河進化と宇宙再電離時代

太田 一陽 氏(理化学研究所)
平成21年 10月   13 : 30     ライマン・アルファ輝線天体 , 観測

第8 Fast Reionization Simulations for LOFAR

Rajat Mani Thomas 氏(IPMU)
平成21年 9月   14 : 00     再電離 , LOFAR , 輻射輸送

第7 Escape fraction of ionizing photons in high-z galaxies: implications on DLAs and LAEs

長峯 健太郎 氏(ネバダ大学ラスベガス校)
平成21年 8月   13 : 30     ライマン・アルファ輝線天体 , DLA , 再電離 , 流体力学

第6 恒星系との相互作用によるSMBH連星の進化

岩澤 全規 氏(国立天文台・理論研究部)
平成21年 6月   13 : 30     巨大ブラックホールバイナリー

第5 Testing the black hole paradigm with future observations of SgrA*

コジモ バンビ 氏(IPMU)
平成21年 6月   13 : 30     SgrA* , ブラックホール , 観測

第4 A New Perspective on the Complex Halo of M31

R. マイケル リッチ 氏(カリフォルニア大学)
平成21年 6月   14 : 00     アンドロメダ銀河 , 銀河ハロー

第3 磁場を考慮したブラックホール降着円盤の一次元定常解

小田 寛 氏(千葉大学)
平成21年 5月   13 : 30     降着円盤 , 巨大ブラックホール , 磁気流体力学

第2 GPUを用いた数値計算

中里 直人 氏(会津大学)
平成21年 4月   15 : 00     GPU

第1 SSA22原始銀河団に対するサブミリ波銀河探査

田村 陽一 氏(国立天文台野辺山)
平成21年 4月   15 : 00     サブミリ波 , プロトクラスター , 観測
  1. ブラックホールのフライホイール・エンジンの理論と,AGNの統計的性質への応用, 新田 伸也 氏(筑波技術大学)   平成22年 2月  
  2. 超新星残骸における乱流と磁場増幅, 井上 剛志 氏(国立天文台)   平成22年 2月  
  3. もうひとつのdynamical friction: コア構造ハローによるdynamical friction 抑制のメカニズム, 井上 茂樹 氏(東北大学)   平成21年 11月  
  4. ライマンアルファ銀河の観測で探る銀河進化と宇宙再電離時代, 太田 一陽 氏(理化学研究所)   平成21年 10月  
  5. Fast Reionization Simulations for LOFAR, Rajat Mani Thomas 氏(IPMU)   平成21年 9月  
  6. Escape fraction of ionizing photons in high-z galaxies: implications on DLAs and LAEs, 長峯 健太郎 氏(ネバダ大学ラスベガス校)   平成21年 8月  
  7. 恒星系との相互作用によるSMBH連星の進化, 岩澤 全規 氏(国立天文台・理論研究部)   平成21年 6月  
  8. Testing the black hole paradigm with future observations of SgrA*, コジモ バンビ 氏(IPMU)   平成21年 6月  
  9. A New Perspective on the Complex Halo of M31, R. マイケル リッチ 氏(カリフォルニア大学)   平成21年 6月  
  10. 磁場を考慮したブラックホール降着円盤の一次元定常解, 小田 寛 氏(千葉大学)   平成21年 5月  
  11. GPUを用いた数値計算, 中里 直人 氏(会津大学)   平成21年 4月  
  12. SSA22原始銀河団に対するサブミリ波銀河探査, 田村 陽一 氏(国立天文台野辺山)   平成21年 4月