研究室概要

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宇宙最初の星や銀河の誕生,それらが放つ光の特性,銀河や銀河団の形成進化,ブラックホールの形成進化と銀河中心核活動,そして星・惑星系形成などについて基礎物理学から理解することを目指しています。研究の特色は,輻射輸送方程式や相対論的輻射流体力学方程式を扱うことにより,物質と光の相互作用を忠実に採入れていることと,多成分多体から成る天体の形成進化においてお互いの重力の相互作用を忠実に採入れていることです。研究手法としては,解析的研究やコンピュータでの演算を始めとして,計算科学研究センターのスーパーコンピュータを利用した大規模数値シミュレーションを用いています。

特集記事

ダークマターサブハローの衝突頻度と矮小銀河の誘発的形成

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概要 現在の標準的な銀河形成モデルであるcold dark matterによる階層的構造形成論によると、銀河には星質量の$100$倍以上のダークマターを含むことが知られている。 しかし、最近の観測では、理論的に予測される質量よりも非常に少ないダークマター質量を持つダークマター欠乏銀河の存在が報告されている。 この問題を解決するために本研究では、ガスを含んだダークマターサブハロー同士の正面衝突現象によって形成する銀河の物理過程を調査した。 大質量銀河のホストハローに付随するダークマターサブハロー...

最新の投稿

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磁気トルネード現象に注目した,太陽コロナ加熱のためのエネルギー発生・輸送・散逸の数値的研究

国吉 秀鷹 氏

太陽最外層大気(コロナ)はなぜ表面(光球)より数百倍高温で100万度以上にまで達するのか?この太陽コロナ加熱問題は1930年代からの未解決課題であり,SOLAR-Cミッションのメインターゲットである。さらに太陽コロナは極紫外線・X線の放射源であるため,惑星大気進化にも強く影響するため,系外惑星のハビタビリティ研究にとっても重要である。コロナ加熱のためのエネルギーは光球で発生したアルフベン波によって輸送されると考えられており,磁気トルネードと呼ばれる局所・突発的なアルフベン波の役割に近年注目が集まっている。我々のグループは磁気トルネードが静穏領域コロナへ伝わるポインティングフラックスの約50%を輸送することを高解像度シミュレーションにより明らかにした。さらに磁気トルネード固有の観測シグナルを求め,SOLAR-Cの観測指標として提案した。本講演ではこれらの詳細に加え,磁気トルネード研究の将来展望について述べる。 ...

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【プレスリリース】宇宙を飛び交うニュートリノの動きを明らかに ~世界初の6次元シミュレーションに成功~

本研究では,筑波大学と東京大学が新たに開発したブラソフ方程式の高精度計算手法と,国内を代表するスーパーコンピュータを組み合わせることによって,ブラソフ方程式を直接解き,宇...

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宇宙物理理論・宇宙物理観測合同新歓BBQ

5月3日に宇宙理論・宇宙観測の合同新歓バーベキューを開催しました。 研究室に新たに加わる学類4年生やスタッフの方を含めた理論・観測研究室の 親睦を深める目的で開催され,...

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第38回全国高等学校総合文化祭茨城大会「いばらき総文2014」新聞部門インタビュー

2014年7月28日,第38回全国高等学校総合文化祭茨城大会「いばらき総文2014」の新聞部門の方によるインタビューを小松勇さん(博士後期課程3年)が受けました。 ...

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ブラックホール降着流の状態遷移と時間変動

ブラックホール候補天体では硬X線が強い状態と軟X線が強い状態間の遷移が観測される。状態遷移中には準周期振動やジェットの噴出が観測され,ブラックホール降着流が激しい活動性を...

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A fierce new challenge: unveiling the connection between the first galaxies and...

宇宙再電離の時代(EoR)は宇宙のバリオン成分の性質を大きく変えた。我々は流体力学的および放射伝達的な数値シミュレーションを用いて,EoR中IGMにおける様々な過程を詳細...

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Computing the Universe: from Intergalactic to Interstellar Medium

This talk will highlight some progress made based on our efforts of computing the uni...

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Probing dust aggregate structure in protoplanetary disks by millimeter-wave polarization

Dust coagulation in protoplanetary disks is the first step of planetesimal formation...

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ALMA and JWST exploration of high-redshift galaxies (and stars)

Extragalactic astronomy is currently in an exciting period. Observing high-redshift g...

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Cloud-scale molecular gas properties of nearby spiral and starburst galaxies with ALMA...

(Ultra)luminous infrared galaxies (= (U)LIRGs) at z=0 form stars 10-100 times more e...

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X線偏光観測による活動銀河核の構造

 活動銀河核(Active Galactic Nucleus; AGN)とは,超巨大質量ブラックホール(SuperMassive Black Hole; SMBH)への質...

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ダークマターは何者か?:暗黒物質の解明に向けた近傍宇宙論研究の現状と将来展望

宇宙の物質の大半は暗黒物質によって支配されている。しかしその正体は未だ謎のままであり,現代物理学において最大の問題の1つとなっている。 この未知の物質の正体解明のため,...

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ブラックホール大研究会
~星質量から超巨大ブラックホールまで~

一般相対性理論の予言から約100年,ついにブラックホールの存在が確たるものとなりました。重力波の検出によって恒星質量ブラックホールの存在が,EHTによる撮像によって超巨大...

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天体形成研究会2023

この研究会は,広い視点で天体の形成に関わる理論的研究と観測の現状についての情報の共有と意見交換を行う機会を設けるものです。 また,本研究室内で学位論文を控えている学...

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ブラックホールジェット・降着円盤・円盤風研究会 2023

ブラックホールの存在が確たるものとなった現在でも,降着円盤やジェット,円盤風の構造や物理メカニズムは未解明である。問題を解決するには,EHTやIXPE,XRISM等による...

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天体形成研究会2022

この研究会は,広い視点で天体の形成に関わる理論的研究と観測の現状についての情報の共有と意見交換を行う機会を設けるものです。 また,本研究室内で学位論文を控えている学生の...

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最新の研究成果

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FOREVER22: Gas and metal outflow from massive galaxies in protocluster regions

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Generation of high circular polarization of interstellar Lyman α radiation triggering biological homochirality

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The formation of globular clusters with top-heavy initial mass functions

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FOREVER22: The first bright galaxies with population III stars at redshifts z 10-20 and comparisons with JWST data

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Cosmological-scale Lyα Forest Absorption around Galaxies and AGNs Probed with the HETDEX and SDSS Spectroscopic Data

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Morphologies of Galaxies at z 9 Uncovered by JWST/NIRCam Imaging: Cosmic Size Evolution and an Identification of an Extremely Compact Bright Galaxy at z 12