研究室概要

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宇宙最初の星や銀河の誕生,それらが放つ光の特性,銀河や銀河団の形成進化,ブラックホールの形成進化と銀河中心核活動,そして星・惑星系形成などについて基礎物理学から理解することを目指しています。研究の特色は,輻射輸送方程式や相対論的輻射流体力学方程式を扱うことにより,物質と光の相互作用を忠実に採入れていることと,多成分多体から成る天体の形成進化においてお互いの重力の相互作用を忠実に採入れていることです。研究手法としては,解析的研究やコンピュータでの演算を始めとして,計算科学研究センターのスーパーコンピュータを利用した大規模数値シミュレーションを用いています。

特集記事

【プレスリリース】「富岳」を用いた宇宙ニュートリノの数値シミュレーションに成功 〜2021年ゴードン・ベル賞ファイナリストに選出〜

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本研究では,ブラソフシミュレーションと呼ばれる全く新しい⼿法を世界で初めて採⽤し,スーパーコンピュータ「富岳」の全システムを⽤いて宇宙⼤規模構造におけるニュートリノの運動に関する⼤規模数値シミュレーションを実⾏することに成功しました。ブラソフシミュレーションは,従来の計算⼿法(N 体シミュレーション)に⽐べて,ノイズのない数値シミュレーションを実⾏することが可能ですが,計算量や必要なメモリ容量がかなり⼤きくなることが問題でした。本研究では,⾰新的な計算アルゴリズムと「富岳」に最適化したコーディン...

最新の投稿

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シミュレーション・サーベイで探る,初代星形成の統一シナリオ

平野 信吾 氏

初代星 (first stars or Population III stars) とは,初期宇宙における始原的ガス雲で誕生する第一世代の星であり,ガス雲が重元素を持つ後の世代の星々 (Population II/I stars) とは形成・進化が異なる考えられている。近年,James Webb Space Telescope (JWST) の登場により,赤方偏移10以上の最遠方銀河の観測研究が加速しており,初代星・初代銀河の理論モデル構築の重要性は増しつつある。本講演では,これまでに数値シミュレーションを用いて行われてきた初代星の理論研究について概観する。特に,初期宇宙進化において初代星を構成要素としてモデル化する際に重要となる,(1)いつ・どこで初代星が誕生するかを決める「ハロー質量」と,(2)初代星の一生と最後を決める「星質量」について,近年の研究動向をまとめつつ,我々のグループの研究成果を紹介する。 (1) 初代星形成が始まるために必要なハロー質量は,初期宇宙に存在するダークマターとバリオンの相対速度によって変化する。シミュレーション・サーベイよりハロー質量の相対速度依存性を...

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【プレスリリース】宇宙を飛び交うニュートリノの動きを明らかに ~世界初の6次元シミュレーションに成功~

本研究では,筑波大学と東京大学が新たに開発したブラソフ方程式の高精度計算手法と,国内を代表するスーパーコンピュータを組み合わせることによって,ブラソフ方程式を直接解き,宇...

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宇宙物理理論・宇宙物理観測合同新歓BBQ

5月3日に宇宙理論・宇宙観測の合同新歓バーベキューを開催しました。 研究室に新たに加わる学類4年生やスタッフの方を含めた理論・観測研究室の 親睦を深める目的で開催され,...

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第38回全国高等学校総合文化祭茨城大会「いばらき総文2014」新聞部門インタビュー

2014年7月28日,第38回全国高等学校総合文化祭茨城大会「いばらき総文2014」の新聞部門の方によるインタビューを小松勇さん(博士後期課程3年)が受けました。 ...

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ブラックホール降着流の状態遷移と時間変動

ブラックホール候補天体では硬X線が強い状態と軟X線が強い状態間の遷移が観測される。状態遷移中には準周期振動やジェットの噴出が観測され,ブラックホール降着流が激しい活動性を...

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A fierce new challenge: unveiling the connection between the first galaxies and...

宇宙再電離の時代(EoR)は宇宙のバリオン成分の性質を大きく変えた。我々は流体力学的および放射伝達的な数値シミュレーションを用いて,EoR中IGMにおける様々な過程を詳細...

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Computing the Universe: from Intergalactic to Interstellar Medium

This talk will highlight some progress made based on our efforts of computing the uni...

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Probing dust aggregate structure in protoplanetary disks by millimeter-wave polarization

Dust coagulation in protoplanetary disks is the first step of planetesimal formation...

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高エネルギー宇宙を探る新しい手段 〜ようやく切り拓かれたX線偏光観測〜

ブラックホールや中性子星,銀河,銀河団など,宇宙のありとあらゆる階層の天体からX線が発せられている。そのX線を観測することで,高エネルギー天体の正体やX線発生メカニズムを...

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高解像度サブミリ波観測が描く活動銀河中心核の新描像

活動銀河中心核(Active Galactic Nucleus = AGN)とは,超巨大ブラックホール (supermassive black hole = SMBH) ...

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超新星爆発と同位体$^{56}$Ni

重力崩壊型超新星(以下,超新星)とは,大質量星が恒星進化の最後に起こす爆発現象である。そして超新星の爆発機構は,天体物理学の未解決問題のひとつに挙げられる。超新星の大規模...

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偏光画像で探る,超大質量ブラックホール直近の降着円盤ージェット構造

超大質量ブラックホールの直接撮像の実現により,活動銀河核ジェットの謎に包まれた駆動メカニズム理解に向け新たな地平が切り拓かれた。この好機にあたり,我々は輻射輸送計算による...

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ブラックホールジェット・降着円盤・円盤風研究会 2023

ブラックホールの存在が確たるものとなった現在でも,降着円盤やジェット,円盤風の構造や物理メカニズムは未解明である。問題を解決するには,EHTやIXPE,XRISM等による...

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天体形成研究会2022

この研究会は,広い視点で天体の形成に関わる理論的研究と観測の現状についての情報の共有と意見交換を行う機会を設けるものです。 また,本研究室内で学位論文を控えている学生の...

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銀河・銀河間ガス研究会2022

今年もGalaxy-IGM Workshopの夏がやってきました。 本ワークショップは理論・観測問わず,銀河形成,IGM・CGM,宇宙再電離,巨大ブラックホールなどさま...

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天体形成研究会2021

この研究会は,広い視点で天体の形成に関わる理論的研究と観測の現状についての情報の共有と意見交換を行う機会を設けるものです。 また,本研究室内で学位論文を控えている学生の...

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最新の研究成果

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FOREVER22: Gas and metal outflow from massive galaxies in protocluster regions

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Generation of high circular polarization of interstellar Lyman α radiation triggering biological homochirality

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The formation of globular clusters with top-heavy initial mass functions

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FOREVER22: The first bright galaxies with population III stars at redshifts z 10-20 and comparisons with JWST data

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Cosmological-scale Lyα Forest Absorption around Galaxies and AGNs Probed with the HETDEX and SDSS Spectroscopic Data

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Morphologies of Galaxies at z 9 Uncovered by JWST/NIRCam Imaging: Cosmic Size Evolution and an Identification of an Extremely Compact Bright Galaxy at z 12