宇宙最初の星や銀河の誕生,それらが放つ光の特性,銀河や銀河団の形成進化,ブラックホールの形成進化と銀河中心核活動,そして星・惑星系形成などについて基礎物理学から理解することを目指しています。研究の特色は,輻射輸送方程式や相対論的輻射流体力学方程式を扱うことにより,物質と光の相互作用を忠実に採入れていることと,多成分多体から成る天体の形成進化においてお互いの重力の相互作用を忠実に採入れていることです。研究手法としては,解析的研究やコンピュータでの演算を始めとして,計算科学研究センターのスーパーコンピュータを利用した大規模数値シミュレーションを用いています。
重力崩壊型超新星(以下,超新星)とは,大質量星が恒星進化の最後に起こす爆発現象である。そして超新星の爆発機構は,天体物理学の未解決問題のひとつに挙げられる。超新星の大規模数値シミュレーション研究では, 2000年代は「爆発が再現できない問題」,2010年代は「爆発エネルギーが再現できない問題」を乗り越え,現在では従来期待されたタイムスケールよりも長い時間 を数値計算で追うと超新星爆発を再現できるとの結果が報告された。そのようにして「古典的な描像に比べて,長い時間 (>1秒 )をかけて超新星の爆発が駆動される」とが現在理解されているが,このゆっくりとした爆発描像 (>1 秒)が観測的に妥当であるかは自明でない。この観測的妥当性を測る手がかりが,超新星内部での同位体 56Ni の合成量だ。 同位体 56Ni の量は観測された超新星の明るさの源であるため,十分な合成が観測との整合性のために必要不可欠な原子核である。 我々は, 超新星の爆発タイムスケールをパラメータとして取り扱った,現象論的爆発モデルでの元素合成計算を行うことで, 「ゆっくりとした爆発 (>1秒 )は観測される超新星の 56N...
本研究では,筑波大学と東京大学が新たに開発したブラソフ方程式の高精度計算手法と,国内を代表するスーパーコンピュータを組み合わせることによって,ブラソフ方程式を直接解き,宇...
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5月3日に宇宙理論・宇宙観測の合同新歓バーベキューを開催しました。 研究室に新たに加わる学類4年生やスタッフの方を含めた理論・観測研究室の 親睦を深める目的で開催さ...
2014年7月28日,第38回全国高等学校総合文化祭茨城大会「いばらき総文2014」の新聞部門の方によるインタビューを小松勇さん(博士後期課程3年)が受けました。 ...
ブラックホール候補天体では硬X線が強い状態と軟X線が強い状態間の遷移が観測される。状態遷移中には準周期振動やジェットの噴出が観測され,ブラックホール降着流が激しい活動性を...
宇宙再電離の時代(EoR)は宇宙のバリオン成分の性質を大きく変えた。我々は流体力学的および放射伝達的な数値シミュレーションを用いて,EoR中IGMにおける様々な過程を詳細...
This talk will highlight some progress made based on our efforts of computing the uni...
Dust coagulation in protoplanetary disks is the first step of planetesimal formation...
超大質量ブラックホールの直接撮像の実現により,活動銀河核ジェットの謎に包まれた駆動メカニズム理解に向け新たな地平が切り拓かれた。この好機にあたり,我々は輻射輸送計算による...
円盤銀河内部の星形成活動は構造(中心部, 腕部, 棒部 など)に依存することが知られている。中でも棒渦巻銀河はその依存性が顕著であり,腕部では活発に星形成しているのに対し...
星は分子雲中の高密度領域で形成されるが,その高密度領域がフィラメント状であることがわかっている。フィラメントの形成と進化は星形成の初期条件を決定するため重要である。本発表...
宇宙の進化にともなって旅をしてきたビッグバンの残光「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)には138 億年の歴史が刻印されている。CMBにわずかに現れる揺らぎのパターンを精査...
ブラックホールの存在が確たるものとなった現在でも,降着円盤やジェット,円盤風の構造や物理メカニズムは未解明である。問題を解決するには,EHTやIXPE,XRISM等による...
この研究会は,広い視点で天体の形成に関わる理論的研究と観測の現状についての情報の共有と意見交換を行う機会を設けるものです。 また,本研究室内で学位論文を控えている学生の...
今年もGalaxy-IGM Workshopの夏がやってきました。 本ワークショップは理論・観測問わず,銀河形成,IGM・CGM,宇宙再電離,巨大ブラックホールなどさま...
この研究会は,広い視点で天体の形成に関わる理論的研究と観測の現状についての情報の共有と意見交換を行う機会を設けるものです。 また,本研究室内で学位論文を控えている学生の...