目的・概要
本課題の目的は、世界最高規模のシミュレーションとAIの融合により、
ビッグバンから現在に至る宇宙の構造形成と進化の全容を解明することです。
138億年前、宇宙はビッグバンで始まったと考えられています。
その後、重力不安定によって大規模構造が形成され、
それに伴って銀河が生まれ、星や惑星も形成されました。
太陽や地球も誕生しました。
また、ブラックホールが形成され、超巨大ブラックホールへと進化しました。
こうした宇宙における多階層にわたる構造の形成と進化を、
シミュレーションとAIを融合することで解き明かします。
本課題では、これまで培ってきた大規模シミュレーションにAIを融合させることで、
物理素過程を精密に扱いつつも、高速な計算を実現します。
これにより、正確性を維持したまま、過去に例のない長時間シミュレーションやより大域にわたるシミュレーション
が実現できます。また、シミュレーション結果を教師データとしたニューラルネットワークを構築することで、
限られた観測結果から天体の構造の情報を最大限引き出すことが可能になります。
シミュレーションとAIの融合、各階層の連携、観測との協働により、宇宙の構造形成と進化の理解につなげる計画です。
具体的には、四つのサブ課題とAI班を設置し、協力して研究を推進します。
- サブ課題A:大規模数値計算とAIの融合による宇宙の進化史の解明
- サブ課題B:大規模シミュレーションで挑む星・惑星形成過程の階層横断的研究
- サブ課題C:ブラックホールと中性子星を核にした爆発的天体現象の解明
- サブ課題D:恒星活動の多様性と惑星環境のダイナミクスの解明
- AI班:AIを用いた宇宙・天文シミュレーションの新基軸の開拓