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教育活動歴

■ 2008年4月-2009年3月  早稲田大学理工学術院 物理学科助手
■ 2009年4月-2012年3月  芝浦工業大学工学部共通物理 非常勤講師
■ 2011年4月-2012年3月  早稲田大学理工学術院 物理学科助教
■ 2011年9月-2012年3月  御茶ノ水女子大学理学部物理学科 非常勤講師
■ 2013年7月-2016年8月  英国ケンブリッジ大学 海外研究員(英語・国際教育の課外活動)
■ 2016年9月-2017年3月  早稲田大学先進理工学部化学科 非常勤講師 
■ 2017年4月-現在に至る  芝浦工業大学工学部共通物理 非常勤講師

主な活動概要

早稲田大学での教育活動 
担当授業 量子力学、電磁気学、熱力学  基礎実験 水の流れの物理、惑星運動、波動シュミレーション、熱と気体分子運動

芝浦大学での教育活動
担当授業  物理学B(基礎力学再履修者)、物理学サポート、基礎力学、基礎力学演習 作成教材

  議論発表スタイルの授業 クラスを数人づつのグループに分ける。

   

議論中 課題について各班で議論してもらう。

発表中 班順で発表。右にいくに従って、生徒が前の生徒の説明を補足、訂正をして、議論が広がっている。

授業アンケート

◆御茶ノ水大学での教育活動 担当授業 宇宙物理学

◆英国ケンブリッジでの課外教育活動
オープンキャンパスでの広報活動  Cambridge English Language Societyへの参加  

国際人として活躍するには、異文化の社会や宗教、歴史観まで含めた文化的背景の理解や国際社会での教養が必要不可欠。三年間の英国生活において肌で実感してきた経験を国際人育成に尽力したい

教育への抱負

私は研究者として物理学、及び宇宙論の研究に従事しているが、その根底には将来教育の現場でその知識を活かし、後生の人材育成を目指したよりよい教育活動を行うことが最終目的にある。数学の教師をしていた祖父が当時書いていた古い本の冒頭を読んだことが、自分を教育者として成長させようと強く決意した動機でもある。祖父は戦争前後の混乱の中、苦学しながら夜学で学問(工学)に取り組み、中等学校の数学教師として高い教育理念をもって活動していた。公立校や高等専門学校などで教鞭をとっていた経験から、退職後、教育現場では扱えなかった工学(製図)の洋書専門書を独学で翻訳し、「三次元投影論と応用立体製図学」という本として自作していた。おじいちゃん子で育った私にとって、祖父が亡くなってから二十年余りが経って初めて目にしたその本はとても衝撃的であり、まさに教育者、研究者として情熱を燃やしていた祖父と時代を超えて、生で対話しているような不思議な感覚であったのを覚えている。内容は専門ではないので細部まで理解はできないが、その冒頭個所に学校での教育現場と理想との違いや、祖父の教育理念に触れることができ、研究者として駆け出したばかりであった当時の私にとって強い影響を与え、祖父の目指した教育者・研究者になろうと心に誓った。
 私にとって大きなモチベーションは、宇宙論という「宇宙的規模のいわば考古学」を極めていくことで見えてくる 「自然界の壮大なる全貌、またその神秘性、多様性」に触れられることにある。「我々とは何なのか、どこからきて、どこへ向かうのか」 時には宗教のようなこの哲学的テーマに科学的に向き合っていった最終形態が「宇宙とは何か」すなわち宇宙論であると私は思う。その学術的知見を活かし、応用し発展させ、人類の学術的進歩に貢献し、いずれは社会に還元していくこともまた重要である。宇宙論は主に一般相対論という重力の法則を宇宙という最大の物理的対象物に応用した学問である。その学問の発展の中で、いずれはその物理法則自体も大きく変貌を遂げる可能性も含んでいる応用学問である。ニュートンから始まった「万有引力という最も根源的な力の正体は一体何であるのか」アインシュタインも気付けなかった真の力の実像、答えは宇宙を探る学問にしかない。なぜなら全ての力は宇宙誕生時から宇宙の進化とともに発展したきた言わば宇宙の付随物であるからである。 それらを最終的には、教育の現場で活かし、国際人育成のため、さらに大きく言えば「地球市民としての育成」に役立てたいと考えている。私は、これまで三年間英国ケンブリッジ大学に在籍し、海外研究者として国際的研究に携わるだけでなく、現地で養った国際感覚、異文化交流、英語教育の実践など、専門研究以上に今後の日本の教育において重要と成り得る海外教育を学んできた。従来までの学部内だけに捉われることのない、学部の枠を超えた高等教育機関の運営体制そのものを変革していく姿勢が、今後の国際社会における諸問題を解決へと導き、世界をリードしていける人物を育てていけると考える。今後国際舞台で活躍する人材育成に尽力していきたい。
  宇宙観という壮大なテーマは古来より人類を魅了して止まない普遍的ロマンを持っている。一人の宇宙論専門家として、これまで蓄積してきた知識はあくまでも、その好奇心やロマンをさらに大きく膨らませるための材料に過ぎないともいえる。子供が単純に抱く素朴な疑問にこそ耳を傾け、専門用語にできるだけ頼らず、より簡素な説明でそのエッセンスを再抽出し、それを一般の人々に広く伝え多くの人の好奇心を刺激していくことが大事な教育活動の一つであると思う。例えば授業にしても物理の解き方が教えられた後には、さらに一歩進んだ取り組みとして、物理自体の素晴らしさ、自然がみせる我々の世界の本質を、授業を通して伝えたいと思っている。特に自分の研究分野に関係あるトピックに関しては、生徒にさらに興味を持ってもらえるように、基礎の先にはこういう応用の世界が待っているんだと感じてもらえるように日々工夫し教えていきたい。自分自身、日々体感する日常の中で、当たり前と思うことを忘れる努力をし、 自然(世界)が示す「Wonder」(不思議さ、そして素晴らしさ) を敏感に感じられるアンテナを張り巡らし、新鮮に感じられる子供の感覚を忘れないようにしていきたい。