超並列クラスタ計算機PACS-CS

[image]

PACS-CSは、2,560台の計算ノードを総計20,480本のギガビットイーサネットケーブルで結合した超並列型のクラスタ計算機で、14.34テラフロップス(毎秒14兆3,400億回)のピーク計算性能を持っています。計算科学の大規模計算を実現可能とする特徴として、計算性能とメモリ性能のバランスを保つため、計算ノードのプロセッサ数は1個に絞り、高速メモリを設置し、計算ノードを結合するネットワークとして、ノードあたり6本のギガビットイーサネットケーブルを用いる3次元ハイパクロスバ構造の採用により、高いネットワーク性能と柔軟さを低コストで実現しました。このシステムを用いて、実空間格子上差分計算法による密度汎関数法の開発など、素粒子・宇宙や物質・生命の先端的な研究を推進しています。

T2K-Tsukubaシステム

T2K-Tsukubaシステムは10,368コアで構成されている95.39テラフロップス(毎秒95兆3,900億回)のピーク計算性能を持つ大規模PCクラスタです。様々な計算を実行するために、それぞれの計算ノードは16コアのPCサーバから構成されています。Lustreによる大規模ファイルシステム(ユーザ空間 800TB)はすべての計算ノードからInfinibandにより接続され、16 GB/sのI/Oバンド幅を持っています。T2K-Tsukubaは2008年6月のスーパーコンピュータのTop500リストで第20位にランクされました。

[image]

宇宙シミュレータFIRST

宇宙シミュレータFIRSTは、汎用型並列計算機としてPCクラスタを使用し、この各ノードに新たに開発した重力計算専用ボードBlade-GRAPEを組み込んだものです。FIRSTのピーク計算性能は、PCクラスタが3.1 テラフロップス(毎秒3兆1,000億回)Blade-GRAPEが33テラフロップス(毎秒33兆回)で合計36.1テラフロップス(毎秒36兆1,000億回)です。すべてのノードはギガビットイーサネットで接続されています。

[image]

[image]

学際共同利用プログラム

計算科学研究センターでは、全国共同利用施設として「学際共同利用プログラム」を実施し、全国の計算科学の発展に資するべくPACS-CS、T2K-TsukubaおよびFIRSTの共同利用を行っています。

学際共同利用プログラムは、以下の3つのプログラムからなります。

  1. 学際開拓プログラム
    • 異分野間連携に重点を置いて行う研究の推進を奨励するものです。
  2. 重点課題推進プログラム
    • 大規模計算によって探求するべき計算科学の重点課題を推進するものです。このプログラムは、PACS-CSまたはT2K-Tsukubaの計算時間を集中配分することで初めて可能になる革新的な課題の推進を奨励するものです。
  3. 共同研究推進プログラム
    • 計算科学研究センターのスタッフと共同で、自然科学や工学等における計算科学的手法の開発や先端研究を推進するものです。

大規模一般利用

計算科学研究センターでは、T2K-Tsukubaシステムの約半分の計算機資源を、全国共同利用施設として有償の一般利用に供しています。

大規模一般利用には以下の3つの形態があります。

  1. 優先利用
    • 各利用グループに対し、許可されたノード数を最優先で割り当てる。
  2. 占有利用
    • 全システムのノード中、特定のノードを常に確保し、完全占有の形で利用する。
  3. ベストエフォート利用
    • 他の利用形態におけるリソース利用に空きがあり、ジョブを実行可能な状況になった場合にジョブが実行される。
Center for Computational Sciences, University of Tsukuba