University of Leiden(オランダ)で開催された国際会議 COSMO-26 : 29th International Conference on Particle Physics & Cosmology に参加しました。 COSMO-26は、素粒子論、宇宙論、構造形成論、ダークマターなどの最前線研究に関する国際会議で、世界中の研究者が集まり最新の研究成果を発表し、議論する場です。 我々は、大質量ダークマターハロー、特に銀河団スケールのダークマターハローの構造と力学進化に関する最新の研究”Dynamical-State Dependence of the c-M Relation in Massive Dark Matter Halos”を発表しました。
また、会議終了後はドイツ・ボンに移動し、University of Bonn の研究セミナーにて、我々のグループの研究成果のうち、特にアンドロメダ銀河に関する最新の研究成果を紹介しました。 University of Bonn の Pavel Kroupa 氏とは、私が Heidelberg の Max Planck Institute の研究員、Kroupa 氏が Heidelberg University の研究員として在籍していた1998年に出会い、以来、銀河形成・進化に関して、研究に対する立場の違いも含めて多くの議論を重ねてきました。 今回の訪問では、Kroupa 氏と研究室のメンバーとともに、銀河形成・進化や星の初期質量関数における重元素量依存性など、彼らの最新の研究成果について議論し、今後の研究について意見交換を行いました。
写真は、一番目と二番目がUniversity of Leiden 内の会議場”Gorlaeus Gebou”で、三番目は、University of Bonn の Pavel Kroupa 氏の研究室のある建物。そして、四番目は、Pavel Kroupa 氏(左から二番目)の研究グループとの集合写真です。
銀河円盤ガスと矮小銀河の衝突は、銀河形成と進化の過程で重要な役割を果たす現象です。 これらの衝突は、銀河内のガスの分布や運動に大きな影響を与え、星形成活動や銀河構造の変化を引き起こすことが知られています。 本研究では、数値シミュレーションを用いて、銀河円盤ガスと矮小銀河の衝突過程を詳細に解析し、 衝突によって生じるガスのダイナミクスや星形成活動の変化を明らかにします。
博士前期課程2年の髙山暁史さんが取り組んでいる、銀河衝突と銀河中心超巨大ブラックホールの活動性に関する研究紹介動画を公開しました。
銀河衝突は、銀河の形成と進化において重要な役割を果たす現象であり、特に銀河中心の超巨大ブラックホールの活動性に大きな影響を与えることが知られています。
これまでの研究では、銀河衝突がブラックホールの成長や活動を促進する可能性が示唆されてきましたが、それとは逆に、衝突がブラックホールの活動を抑制する可能性があることを示しました。
博士前期課程1年の有馬鞠杏さんが取り組んでいる、初期宇宙で観測される銀河アウトフローに関する研究紹介動画を公開しました。
銀河から吹き出すガスの流れ、いわゆる銀河風は、銀河の形成と進化において重要な役割を果たします。特に宇宙初期の銀河では、激しい星形成活動に伴って強力な銀河風が生じ、銀河内のガスを吹き飛ばすことで、その後の星形成を抑制すると考えられています。
本研究では、数値シミュレーションではなく解析的手法を用いて、宇宙初期の銀河から吹き出す銀河風の性質とその影響を探ります。銀河風がどのように発生し、どの程度の質量とエネルギーを運び去るのかを定量的に評価することで、銀河進化に与える影響を明らかにします。さらに、銀河そのものの進化にとどまらず、ダークマターハローや銀河間空間など周囲の環境に及ぼす影響についても調査します。今後は、銀河中心超大質量ブラックホールが銀河アウトフローに与える影響についても取り組む予定です。
広大なキャンパスと美しい自然に囲まれた浙江大学での研究打合せは、非常に有意義な時間となりました。扇谷さんは私が指導した学生の中で初めての博士号取得者で、 現在は浙江大学でテニアトラック教授として研究を続けています。彼の指導する大学院生(Junnan ShenさんとZhihao Yinさん:M2)の研究紹介と議論は、今回の渡航の中でも最も楽しい時間の一つとなりました。