今後の研究計画

並列入出力システムに関しては、現在の動的負荷分散機能が持つオーバヘッドをさらに低減させ、PIOシステムの機能をより充実していく。現在は負荷分散機能を並列ワークステーションを中心に実装しているが、その分の負荷を減らすためのチューニングを行う。また、実アプリケーションでのPIOシステムのさらなる応用を重ね、不足している機能や性能的に満足できない点等をより充実させる。特に、CやFortran等の一般的な言語のおいて、従来のファイル入出力関数と同等な機能を持つ並列ファイルサービス環境を整備し、CP-PACSのように並列ファイルシステムを内部に持つ超並列計算機のおいて、ユーザにファイルの分割化・並列アクセス化を意識せずに、さらにファイルシステムが計算機上にあるのか計算機外にあるのかも区別しなくてすむような環境を実現していく。

並列可視化システムについては、AVSコンソールからのより柔軟な全体システム制御を実現する。現在はジョブの起動等のワンタイム性のある処理のみが自動化されているが、今後は実時間で処理されている可視化の流れを一時的に記録し、記録容量の許す任意の範囲での画像のロールバックや、その指示を計算サーバである超並列計算機までフィードバックできるような総合的な処理環境の構築を目標とし、これらを12年度中に実現する。最終年度には各種実アプリケーションでの運用実績を作り、システムの総合評価を行う予定である。

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