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吉川 耕司氏(筑波大学 宇宙理論物理研究室)

「Hunting for the Warm-Hot Intergalactic Medium」

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現在の宇宙のバリオンの内、観測的に同定されているものは、銀河団ガスや銀 河を構成している恒星、分子雲、中性水素ガス、などを全てあわせても、ビッ グバン元素合成理論やWMAPによるCMBの観測から求められるバリオン量の2割程 度にしかならない。この未だに未同定のバリオンの大半は、Warm-Hot Intergalactic Meidum (WHIM) と呼ばれる温度が10万度から1000 万度の希薄 なガスで、宇宙の大規模構造に沿って分布していると理論的には予想されてい る。

本発表では、宇宙論的流体シミュレーションの結果から、酸素輝線を用いた WHIMの検出可能性、WHIM中の非平衡電離状態、将来のX線観測衛星による観測 計画などについて紹介する。

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