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清水 一紘 氏(筑波大学 宇宙理論研究室)
「SSA22領域におけるLAEsの物理的解釈とその応用」

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Hayashino et al. (2004)で報告されたLyman Alpha Emitters(LAEs)の大規模構造@z=3.1(SSA22領域)は、
現在標準的な構造形成論となっているCDM理論では6σのゆらぎに相当し、
宇宙全体での期待値が10^-2しかないこと、
また高密度領域内においてCDM理論で予言される角度相関が見られないことなど、
単純なCDM構造形成論とは相容れない性質を持っている。
我々はこれら観測的特徴を説明するためにこれまでの標準的な銀河形成モデルでは考慮されていなかった、
銀河の時間進化(重元素汚染)と LAEsの観測特性(若い銀河のみを選択的に観測)を考慮する事で、
LAEsの見かけ上6σの揺らぎに見える事と角度相関を再現できる事を示した。
今回我々は、 z=3.1でLAEsだった物がz=0でどのような空間分布をするのか調べるため、
前の計算で得られたz=3.1の構造を初期条件にしてz=0まで構造を進化させた。
本口演ではその結果について報告する。

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