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佐久間 優 氏 (筑波大学)

「Feedback Effects of First Supernovae」

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 第一世代星は大質量星だと考えられており、寿命の最期に超新星爆発を起こすものがある。 超新星爆発は周囲に膨大なエネルギーをインプットするため、第一世代星近傍における更なる 星形成活動に強いfeedback がかかると考えられている。極初期の宇宙では、第一世代星から の紫外線放射が母天体となるハローの密度を大きく減らすことがわかっている(Kitayama et al. 2004, Whalen et al. 2008)。このような状況で第一世代星が超新星爆発を起こすと、衝撃波は 周囲のガスを吹き飛ばし星間空間へと抜け出すことが近年の先行研究によって示されている (Kitayama et al. 2005, Whalen et al. 2008)。
本研究では、このような母天体となるハローを抜け出した超新星爆発の衝撃波が、近傍に存在 する小質量ハローに対してどのような影響を及ぼすかを調べた。超新星爆発のfeedbackの効果 として、i) 超新星爆発の衝撃波によってガスが吹き飛ばされる効果、エ) 衝撃波加熱による 電子の増加によってH2形成が促進される効果、を考慮した。計算の結果、第一世代星近傍に おいて、超新星爆発によるfeedback が主にnegativeに働くことを明らかにした。 本発表では、タイムスケールを用いた解析的な手法によって評価した結果を報告するとともに、 今後行う流体計算の簡単なテスト計算、今後の予定を述べるつもりである。

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