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野沢 貴也 氏(北海道大学)
「種族III超新星残骸中のダストの進化と次世代星の元素組成」

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近年の観測は、宇宙初期にも大量のダストが存在することを示唆する。
本研究では、種族III超新星爆発時に供給されるダストのサイズや量を
明らかにするため、Nozawa et al.(2003)によるダストモデルに基づき
超新星残骸中のダストの運動とreverse shockによる破壊を計算した。
その結果、形成されたダストは爆発後1000年以降にreverse shockと衝
突し、星間空間中の密度に依存して、初期サイズが0.01--0.2mum以下
のダストは高温のガス中でスパッタリングにより破壊され、一方より
大きい初期サイズのダストは星間空間中に放出されるかforward shock
後面に形成される密度の高いシェルに捕獲される。最終的に生き残る
ダストの全質量は0.001--1M_sunとなる。
さらに講演では、ダストによる金属元素の輸送が超新星残骸のシェル
で形成される次世代星の元素組成分布に影響する可能性を議論する。

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