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長谷川 賢二 氏(筑波大学 宇宙理論研究室)

「球状星団の形成・力学進化過程の解明」

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球状星団は10万個以上もの星がわずか10pcの領域につまった非常にコンパクトな 天体である。また、球状星団は宇宙年齢程度の年齢を持つ非常に古い天体である ため、宇宙初期の環境を知るために非常に重要な天体であると思われているが、 その起源は未だ不明である。
我々は、これまでの研究で紫外線輻射場の効果でコンパクトな星団を作るという 新たな球状星団形成モデルを提案してきた。しかし、この星団が真に球状星団で あるか見極めるためには、宇宙年齢程度の力学進化計算を行い、観測と直接比較 しなければならない。球状星団においては、星同士の二体の相互作用が宇宙年齢 程度のタイムスケールで重要になる。したがって球状星団の進化計算では、高い 計算精度と宇宙年齢程度の非常に長い時間にわたっての膨大なタイムステップの 計算が要求される。
我々は、FIRSTを用いて,独立時間刻みを用いたN体シミュレーションを行うこと で、上で述べたような高精度かつ長時間の力学進化計算の実現を目指している。 講演では、まずFIRSTで実現可能な計算規模(粒子数)について触れた後、実際 にいくつか行った計算結果を紹介する。

導入部分では、球状星団のような衝突系で実際にどのようなことが起こるのかと いうことについても四年生にもわかるように話すつもりなので、若い人たちもぜ ひ聞きにきてください。

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