輻射性なだれによるAGNの形成と進化
大須賀 健 (筑波大 物理学系)
Key Words ...
accretion disks,black hole physics,starburst,galaxies,radiative transfer
活動銀河中心核(AGN)は、膨大なエネルギー放出をしている天体で、その構造や
活動のメカニズムは未だに解明されていない。その活動を説明する有力な説は、中心
に巨大ブラックホールが存在し、それに落ち込むガスの重力エネルギーが解放されて
いるというものである。しかし、ガスを落とすためには角運動量輸送が必要であり、
これを十分に説明する理論はまだ見つかっていない。しかしながら、つい最近、HST
によってAGNにstarburst regionが発見されたことを受け、AGNとstarburstを結び付
け、角運動量輸送の問題を解決する新しいメカニズムとして「輻射性なだれ」が提案
された。これは、starburstからの輻射がガス、ダストと相互作用し、輻射抵抗とし
て働くことによって角運動量を抜くという理論である。今回の発表ではこの輻射性な
だれのメカニズムを説明するとともに、輻射がAGNの燃料供給、形成や進化に与える
影響を考察する。
参考文献 ...
1. Radiative Avalanche Driven by a Circumnuclear Starburst Torus
Ohsuga K. et al. 1997, submitted to ApJ
2. Radiative Avalanche: Starburst Induced Fuelling to AGNs
Umemura M. et al. 1997, ApJ, 479, L97
3. Radiative Avalanche onto Galactic Nuclei Induced by Circumnuclear Starbursts
Umemura M. et al. 1997, submitted to ApJ
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