γ Cas からのX線
久保 信 (宇宙研(学習院大学)M1)
Key Words ...
stars: Be-stars: white dwarf -- stars: individual: γ Cassiopeiae
-- X-rays
γ Cas は可視光でBe型星に同定されているX線源である。X線発生機構として
Be/中性子星の連星系説、Be/白色矮星の連星系説、Be単独のコロナ説がある。
Be/白色矮星は相互作用する近接連星系のシミュレーションにより存在が予想
されているが、確実なものは発見されていない。1996年1,3,9月、X線天文衛星
「あすか」による観測が行なわれた。X線強度は10$^{33}$erg/s、スペクトル
は温度10keVのRaymond-Smithモデルでよく説明でき、6.7keVの鉄特性X線が見
られることからもBe/中性子星ではなく、Be/白色矮星またはコロナと考えられ
る。10keVもの高温をコロナで説明するのは難しい。Be/白色矮星説で問題にな
っていたX線強度不足については最新の星風のデータからX線強度を推定し、観
測値を矛盾なく説明できることを示す。
参考文献...
1. T. Murakami, et al., 1986, ApJ 310, L31
2. Ph. Stee, et al., 1995 A\&A 300, 219
3. L.B.F.M. Waters, et al., 1988, A\&A 198, 200
Q&A
Q: Be star の輝線は広がっているのか?
A: 広がっている。
Q: (連星運動に伴う)ドップラーシフトの測定は(輝線が広がっていることによ
り)難しいのか?
A: 輝線が広がっている上にprofileが複雑に変化するので、(連星運動をドッ
プラーシフトで測定するのは)難しい。
Q: 連星間の質量移動は珍しいことか?
A: 恒星からコンパクト星に質量が移動し、X線を出す天体が多数観測されてい
ることからも、それほど珍しいことではないと思う。
'97 夏の学校 コンパクトオブジェクト分科会のトップページへ
プログラムのトップページへ
口頭発表のページへ