CP-PACSのソフトウェア
CP-PACSのOSはUNIX OSF/1である。各ノードプロセッサは、ユーザプログラムの 使用可能メモリ容量と性能の確保のため、Mach 3.0ベースのマイクロカーネルの みを搭載する。カーネルは、メモリ制御、ノード間通信、プロセス制御、割り込 み処理、及び入出力機能を持つ。各IOUのOSにはこのマイクロカーネルに加え、 各種入出力処理用のサーバとUNIXフロントエンドを提供するサーバが加えられる。 システムの全体的な制御機構はSIOUと呼ばれるIOUの一台に搭載され、ネットワー クを通じて並列プロセスを制御する。
CP-PACSのOSは、システムを予めプロセッサ群に分割し、任意のプロセッサ群の 中の指定された個数のプロセッサ上で並列プロセスを起動する。プロセッサ群は ソフトウェアにより任意分割可能であり、分割毎に異なるジョブを実行すること ができる。
CP-PACSのファイルシステムは論理的に全体として一つの木構造をなすよう構成 されている。入出力時間短縮のため、ジョブに必要なファイル群を分散磁気ディ スク上に物理的に分割し配置することができる。各プロセッサからの並列入出力 要求は、OSによって自動的に処理される。
CP-PACSのプログラム言語はFORTRAN90、C、C++及びアセンブラである。
FORTARN90 及び Cプログラムにはアセンブラプログラムをサブルーチンとして取
り入れることができる。
FORTRAN90 及び C コンパイラはPVP-SW機構に対応した実行モジュールを生成す
る。これは、modulo scheduling 技法と register coloring 技法を用いて実現
されている。
ハイパークロスバーを通じてのリモートDMA高速転送は、プログラム中で通信ラ
イブラリを呼び出すことにより実行される。
CP-PACSにおけるジョブの実行状況はリアルタイムパーフォーマンスモニタによ り把握することができる。各PUの実効性能、ネットワークの使用率等が一定間隔 で採取され、これらをターミナルにグラフィックに表示することができる。