Tsukuba Uchu Forum

12th Uchu Forum

定在降着衝撃波不安定性の数値流体解析と重力崩壊型超新星爆発への応用

Junichi Sato

cea


Abstract

定在降着衝撃波不安定性(SASI)は,ブラックホール降着流を背景にFoglizzo(2001,2002)により発見された不安定性である. その後,SASI は重力崩壊型超新星爆発における衝撃波停滞後にも現れることが示され,爆発のキーメカニズムとして現在注目されている. しかし,SASI を励起する基本メカニズムは解明されていない. 現在,衝撃波と降着天体間の音波によるサイクル(PAC)と移流と音波がカップルしたサイクル(AAC)のふたつが提案されている. Folgizzo(2009)(F09) はSASI メカニズムを理解するためのトイモデルを提案し,線形解析によりPAC は安定である一方,AACが不安定であることを示した. 我々は,F09の線形解析の結果を確認するためにトイモデルの数値計算を行った. また,このトイモデル数値計算をもとに,重力崩壊型超新星爆発数値計算においてAAC を精度良く再現するために必要とされる空間分解能を調べた. 本公演ではその結果について報告する. さらに,我々はトイモデル数値計算を応用し,非線形期のSASI成長の飽和についても調べたのでそれについても議論する.